2025.5.14

飲食店の内装デザインで重要なポイント!費用相場や施工事例も紹介

飲食店の開業やリニューアルを考えたとき、料理や立地と並んで大きな鍵を握るのが「内装デザイン」です。

内装は、お客様が店に足を踏み入れた瞬間から感じる雰囲気や世界観を形づくる大切な要素です。

料理に自信があり、さらに内装も魅力的ならば「また来たい」と思ってもらえる可能性が高まるかもしれません。

期待値を上回る素敵な空間や居心地の良さが、お客様の心をつかみ、SNSでの拡散や口コミによる集客にもつながります。

この記事では、飲食店の内装で失敗しないために押さえておくべきポイントをわかりやすく解説します。

このコラムでわかること

●飲食店の内装は、料理や立地と並んで集客やリピート率に大きく影響する重要な要素です。
●店舗のコンセプトや世界観を明確にし、それに合ったデザイン・照明・配色を計画することが、魅力的な空間づくりポイント。
●業者選びでは、飲食店の実績や提案力、施工範囲、明確な見積もり、アフターサポートの有無をチェックすることが大切です。

飲食店における内装の重要性

飲食店を開業・リニューアルする際、内装は店舗のブランディングや集客に直結する重要な要素です。

料理の味や価格はもちろん重視されますが、お客様が「また来たい」と感じるかどうかは、空間の印象が大きく関わってきます。

店内に足を踏み入れた瞬間に伝わる雰囲気は、第一印象として深く記憶に残ります。

特に最近はInstagramやX(旧Twitter)など、SNSでの「映え」が集客に直結する時代。

おしゃれで写真映えする内装は、それだけで強力な宣伝ツールになります。

料理やサービスだけでなく、空間全体が「体験」として評価される現代では、店舗デザインそのものがブランド価値を左右するといっても過言ではないでしょう。

口コミのきっかけになったり、他店との差別化になったりと、内装がもたらす影響は予想以上に大きいといえます。

飲食店の内装デザインで失敗しないためのポイント

内装デザインで失敗しないためには、以下のような要点を押さえることが大切です。

  • ●店舗の世界観やテーマをはっきりさせる
  • ●スタッフもお客様も動きやすい動線・レイアウトにする
  • ●店内の雰囲気を引き立てる照明演出を取り入れる
  • ●コンセプトに沿って色合いを合わせる

4つのポイントを詳しく見ていきましょう。

店舗の世界観やテーマをはっきりさせる

内装でよくある失敗の一つが「コンセプトのあいまいさ」です。

方向性を詰めきれないまま内装工事を進めると統一感のない印象になってしまい、結果的に中途半端な空間に仕上がります。

まずはターゲットを明確にし、その層に刺さる世界観やテーマを具体的に設定しましょう。

たとえば、若年層向けなら北欧ナチュラル、大人向けなら和モダンやラグジュアリーなど、デザインの方向性を固めることが重要です。

ただし、「こうしたい」「あれも入れたい」と要望を詰め込みすぎると、予算オーバーになったり、空間にまとまりがなくなったりしがちです。

そのため、お客様と設計・施工会社が一緒になって「どこに一番こだわりたいか」「引き算できるポイントはどこか」を明確化することが重要になってきます。

スタッフもお客様も動きやすい動線・レイアウトにする

飲食店の内装においては、動線設計も重要です。

厨房と客席、トイレなどの位置関係が悪ければ、どれだけ見た目が良くても運営はうまくいきません。

スタッフ動線とお客様の動線が交差しないように設計することで、スムーズなサービス提供と快適な利用が可能になります。

たとえば、オープンキッチンの導入や、配膳しやすい通路幅(90cm〜120cm)を確保するなどの工夫をしましょう。

また、厨房設備の配置にも注意が必要です。

調理スペースが狭すぎると作業効率が悪化し、提供時間が遅くなってしまいます。

一方で客席を詰め込みすぎると、お客様が移動しにくくなり、居心地の悪さにつながるでしょう。

さらに、集客層によってはバリアフリー設計やベビーカー利用者への配慮なども重要なポイントになります。

このように、動線やレイアウトの設計次第で、店舗の評価や回転率にも大きな差が出てくるのです。

内の雰囲気を引き立てる照明演出を取り入れる

照明も店内のイメージを決める大きなポイントです。

照明の明るさや色合い次第で、内装の雰囲気は大きく変えることができます。

たとえば、「高級感のあるお店にしたい」「落ち着いた雰囲気を演出したい」といった希望があるのであれば、天井に近い部分の照明は明るくしつつ、下に向かって暗くなるようにすると良いでしょう。

電球色のようなオレンジ色がかった色合いの照明は温かみがあり、お客様にゆっくり過ごしてもらいたいお店に向いています。

一方で、明るく活気のある雰囲気を演出したい場合や、回転率を重視する定食屋やラーメン店のようなお店では、照明を全体的に標準よりやや明るめに設定するのが効果的です。

同じ飲食店でも業態やコンセプトの違いでベストな照明は違ってくるため、お店に合う照明を取り入れてください。

コンセプトに沿って色合いを合わせる

色も照明と同様に、お店を印象づけるポイントになります。

店内の内装を計画する際は、お店全体のコンセプトに沿って配色に統一感を出すことが重要です。

色にもそれぞれ特性があり、赤色や暖色系のオレンジ色などは食欲を増進させる効果、青や緑は静かで落ち着いた雰囲気を醸し出す効果が期待できます。

バーなどでは、ワインやカクテルを美しく見せるために青色の照明を使うこともあります。

ただし、あまり多くの色を使っても落ち着かない印象を与えてしまうため、配色は少なくとも3色程度に抑えましょう。

基本となる色を決めたうえで、アクセントカラーを使うと空間にメリハリが出ます。

アクセントカラーを加えて個性を出したり、白を基調とした店内に木目調のカラーを配色して温かみを出したりするのもおすすめです。

飲食店の内装デザイン事例

「内装デザインにこだわりたい」と思っていても、具体的なイメージが湧かない方も多いのではないでしょうか。

実在するお店のデザインを見れば参考になることもあるため、事例を見つつ、雰囲気やテイストが自分のお店に合いそうかどうかをつかむことが大切です。

そこで、秀建が実際に施工した事例を5つ挙げ、ポイントを紹介します。

和の落ち着きを活かした内装

和牛とマグロを食べられるお店「焼肉お富さん」の事例です。

もともと千葉県内でお惣菜や野菜、精肉にこだわり、数店舗のスーパマーケットを展開してきた企業が運営する焼肉レストランとして2022年に竣工しました。

設計から施工まで秀建が担当しています。

店内のデザインは落ち着いた和のイメージを保ちつつ、席を広く取り、開放感のある空間です。

総座席数98席のうち、座敷席は半個室としての利用はもちろん、32人までの宴会利用にも対応できます。

店内には地元の特産品を置く売店を設けてバリアフリーにも気を配り、ファミリー層から大宴会まで幅広いニーズに応えられる作りです。

ナチュラル×スタイリッシュが融合した内装

ゆりまち袖ヶ浦駅前モールで営業していた「FARM COURT地域食材専門店」が、新規業態の「FARM COURT CAFE&DINNING」としてリニューアルした事例です。

秀建は内装計画のコンセプトを踏まえながら、三次元に具体化する施工を担当しました。

店舗は落ち着いた空間でおいしい食事を楽しめるカフェとして、都会的でスタイリッシュながら、ナチュラルな雰囲気も感じられます。

カウンターやテーブル、椅子などに木目の美しい素材を用い、店舗中央にはグリーンディスプレイを配置するなど、スタイリッシュな空間のなかにナチュラルなテイストを合わせました。

アメリカンな雰囲気を演出した内装

「アメリカンハウス」が多数展開する飲食店のうち、ステーキ専門としての位置づけで町田市のグランベリーパーク内にオープンした「アメリカンハウス ステーキ&タコス」の事例です。

ステーキやハンバーガー、タコスなどを提供するアメリカンカジュアルレストランらしく、店内の内装もアメリカンな雰囲気が演出されています。

ブラウンを基調とした温かみのある木目調やレンガ調の内装に、ソファの赤がアクセントになっており、まるでアメリカのダイナーを思わせる空間です。

アメリカンな雰囲気の店内では、ボリュームのあるステーキなどをカジュアルに楽しめるでしょう。

洗練された上質感あふれる内装

パリの老舗ブランドFAUCHON(フォション)が手掛ける「FAUCHON L’HOTEL 京都」10Fにあるカフェ・レストランの事例です。

店内にはFAUCHONのブランドカラーでもある鮮やかなピンクをアクセントとして取り入れ、モダンなデザインのなかにも遊び心が感じられます。

大きな窓からは京都の街並みが望めるため、開放感を味わいながら、上質な時間を過ごすことができるでしょう。

南国の雰囲気を感じる開放感のある内装

オーストラリアのソウルフード、ミートパイの工房と併設のカフェ「BYRONBAY MEATPIE factory」を、秀建が設計から施工まで手がけた事例です。

世界中のサーファーを魅了するオーストラリアのサーフタウン、バイロンベイの名を冠したお店で、千葉県佐倉市の老舗サーフショップに隣接しています。

味のある壁材や床材など、もともと使われていた素材は残しながら古材やタイルなどを加え、サーファーが集うような南国の雰囲気を感じる空間になりました。

広々とした開放感のある店内で、焼きたてのミートパイやドリンクが楽しめます。

飲食店の内装をする際にかかる費用

飲食店の内装にかかる費用は、ケースバイケースです。

金額は坪単価で算出されるのが一般的ですが、店舗の規模や業態(焼肉店なのか?カフェなのか?など)、工事の内容や施工する地域によって、またどこまで内装を作り込むのかによって大きく異なります。

たとえば、スケルトン状態の物件で新装オープンする場合と、元の設備を改装する場合や居抜き物件の設備を活用する場合でも金額感は異なります。

「こんなデザインの飲食店にしたい」というこだわりをどこまで実現させるかによっても費用感は変わってくるため、一概に飲食店の内装の費用感としてひとくくりに言うことはできません。

設計会社や施工会社に、どういう飲食店の内装にしたいのかをお伝えいただき、実際にかかる費用感を提示するというのが一番正確です。

飲食店の内装業者を選ぶときにチェックするポイント

思い描く理想のお店を実現するためには、内装業者の選定も大切です。

内装工事を手がけている業者であっても、飲食店の内装が得意だとは限りません。

実際に飲食店の内装業者を選ぶときは、以下のようなポイントをチェックすることが大切です。

  • ●飲食店の施工実績が豊富かどうか
  • ●対応してくれる作業はどこまでか
  • ●提案力があるか
  • ●見積もりが明確で納得できるか
  • ●アフターサポートに対応してくれるか

それぞれ詳しく見ていきましょう。

飲食店の施工実績が豊富かどうか

内装工事を手がける業者は数多くありますが、それぞれ得意とする分野が異なります。

特に飲食店の内装は、一般的な住宅やオフィスとは異なり、専門的な知識やノウハウが必要です。

内装工事を依頼する業者を選ぶ際は、まず過去に飲食店の内装を手がけたことがあるかどうかを確認することが大切です。

また、ひと口に飲食店といっても、カジュアルな定食屋やラーメン店からおしゃれなカフェやバー、高級感のあるレストランまで、多彩なタイプがあります。

業態によってデザインも変わってくるため、実例写真を見たり、実際に内装を手がけた店舗を紹介してもらったりして、イメージに近い施工実績があるかチェックすると安心でしょう。

対応してくれる作業はどこまでか

内装業者を選ぶ際は、事前にどこまで対応してくれるのか明確にしておくことが大切です。

デザイン設計や施工はもちろん、保健所や消防への申請のサポートまでワンストップで対応してくれるところがあれば、一部だけを請け負っている業者もあります。

飲食店の開業までは、スケジュールがタイトなことも多いです。

それぞれのステップで別々の業者に依頼すると、業者ごとに打ち合わせの時間を設けなければならなかったり、引き継ぎが必要になったりなど、手間も時間も余分にかかります。

設計から完成に至るまで、全て任せられる業者に依頼したほうがスケジュールの管理をしやすく、スムーズに計画を進められるでしょう。

提案力があるか

内装業者を選ぶうえで、意外と重要なポイントが提案力です。

プロならではの着想を具体的なデザインとして落とし込めるかどうかで、満足度が大きく左右されることもあります。

もちろん、予算との兼ね合いや物件に制限があるなど、全ての要望がデザインに反映されるとは限りません。

ただ、単にコンセプトや要望を形にするだけにとどまらず、プロの視点からより良いアイデアを提案できる柔軟さがあるかどうかは見極めたいところです。

見積もりが明確で納得できるか

内装工事にかかる費用は金額の幅が大きいため、見積もりの明確さは重要です。

加えて、依頼する側にとって、納得できるものでなくてはなりません。

また、金額について質問した際、丁寧に答えてくれるかどうか、その金額になる根拠をきちんと説明してくれるかどうかも踏まえたうえで、依頼する業者を選ぶと安心です。

さらに、工事費用の相場や適正価格を知るためには複数の業者から見積もりを取り、じっくり比較検討することも重要です。

アフターサポートに対応してくれるか

内装業者選びでは、迅速に対応してくれるアフターサポート体制が整っているかも重要なポイントです。

オープンしてからも、不具合が見つかったり調整が必要になったりした場合に、アフターサポートがあれば対応してもらえるでしょう。

また、年数が経過すると、ある程度は経年劣化で不具合が発生したり、修繕しなければならない箇所が出てきたりします。

最初に工事をしてくれた業者に対応を任せられれば、設備の状況や内装の特徴も把握してくれているため安心です。

内装のポイントを押さえてこだわりの飲食店にしよう!

飲食店でお客様の第一印象として記憶に残るのは、店内に一歩入ったときに感じる雰囲気です。

もちろん、おいしい料理や飲み物を提供するのが大前提ですが、飲食店の開店やリニューアルでは内装がお客様の印象に大きな影響を与えることを考慮に入れておく必要があるでしょう。

内装デザインで失敗しないためには、テーマをはっきりさせたうえで動線に気を配りつつ、照明や色合いをコンセプトに合ったものにすることがポイントです。

秀建では「満足を超えた感動」をお届けすることを目指し、経験豊富なスタッフと蓄積してきたノウハウをもとに、コンセプトに沿った飲食店の内装も多数担当しています。

飲食事業の新規展開やリニューアルを検討している方は、秀建までご相談ください。

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監修者情報

(株)秀建 編集部

(株)秀建 編集部

店舗やオフィスの設計・内装・施工、公共工事のプロフェッショナル(株)秀建が発信するオウンドメディア。
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