(株)秀建 編集部
2025.7.10
【事例あり】カフェの内装にこだわるメリット!代表的なデザインやトレンドを紹介
「カフェを新規でオープンしたい」「既存のカフェをリニューアルしたい」という企業にとって、「内装デザイン」は店舗の売上や利益、将来的な成功を左右する大切な要素です。
特に近年はお客様のニーズが多様化し、対応する形でさまざまなコンセプトや内装のカフェが続々とオープンしています。
そんな中で選ばれるお店になるためには、内装が果たす役割を見逃すことはできません。
お客様の来店のきっかけや満足度、SNSでの拡散にも影響を与えるカフェの内装は、カフェを運営するうえで生命線ともいえるでしょう。
本記事では、カフェの内装デザインを決めるにあたって重要なトレンドや代表的なデザインの種類について解説します。
このコラムでわかること
●カフェ経営において内装デザインが果たす重要な役割とその効果
●トレンドを押さえた内装スタイルの種類と特徴
●集客や売上アップにつながる内装づくりの具体的なポイント
カフェの内装にこだわるメリット
カフェの内装は、カフェ経営のあらゆる点に直結します。具体的なポイントは以下の5つです。
- 集客力アップ
- 客単価のアップ
- リピート率のアップ
- ブランド力アップ
- スタッフのモチベーションアップ
カフェの内装にこだわることで、経営に良い影響をおよぼすことが期待できます。
5つのメリットを詳しく解説します。
集客力のアップ
カフェの内装は、お店の「第一印象」を決める重要な要素です。
カフェは食事や飲み物を楽しむ場所であるため、もちろん料理や飲み物の味を追求したり、良質なサービスを提供したりすることも大事でしょう。
ただ、経営を成功させるためには、お店の印象にも気を配らなければなりません。
特に個性的で魅力的な内装は、SNSでの拡散や口コミを自然に生み出しやすいため、新規顧客の獲得に直結するからです。
美しい内装を写真に撮りたいというニーズが高まれば、「写真映え」するカフェとして自然に集客が拡大していきます。
客単価のアップ
カフェの客単価を高めるには、料理やドリンクの充実だけでなく、「思わず長居したくなるような心地よい空間づくり」も欠かせません。
たとえば、座り心地の良いソファや、ほっと落ち着く温かみのある照明があると、お客様は「ここでゆっくり過ごしたい」と感じてくれるはずです。
居心地の良い空間を提供できれば、季節限定スイーツやセットドリンクなど、高単価メニューの販売促進も図りやすくなります。
コンセプトや戦略に合わせて、適切な家具選びや快適な照明、落ち着いた色調の空間設計などを考慮するようにしましょう。
リピート率のアップ
内装によって非日常的な雰囲気やテーマ性のある演出を楽しんでもらうことができれば、「また訪れたい」と思うリピーターの獲得にもつながります。
居心地の良い内装は、ただコーヒーや料理を楽しむだけではなく、記憶に残るひとときという「特別な体験」も提供できます。
カフェがお客様にとってお気に入りの空間になれば、その空間を求めて再び訪れてくれる可能性が高まるでしょう。
また、静かで落ち着ける空間や安心感のある内装により、お客様のくつろぎたいというニーズに応えられると、リピート率向上につながります。
ブランド力アップ
カフェの内装次第で、ブランド力を高めることが可能です。
内装はカフェの個性やコンセプトを、視覚的に伝える有効な手段です。
たとえば、カフェの内装デザインにはナチュラル系やヴィンテージ系、モダン系など、さまざまな種類があります。
明確なスタイルで統一された内装は、競合店舗との差別化を図るうえで効果的です。
一方で、コンセプトが曖昧な内装では、特定のターゲット層に共感されにくく、お客様の印象に残る空間作りは困難です。
内装デザインのイメージが定着すれば、ブランドとしての認知度アップも期待できます。
スタッフのモチベーションアップ
お客様だけではなく、カフェで働くスタッフにとっても、魅力的な内装は働く意欲を高めてくれる重要なポイントです。
デザイン性が高く、快適な職場環境を整えることで、スタッフの仕事へのモチベーション向上が期待できます。
カフェで働くスタッフのストレスが軽減されると、笑顔での接客や気配りなどが自然にできるようになります。
接客面の質が向上すれば、結果的に顧客満足度の向上や口コミの増加にもつながるでしょう。
カフェの内装デザインの種類
カフェの内装デザインは雰囲気や素材感などで差異化を図ることが可能です。
主なカフェの内装デザインの種類は、大きく分けて以下の6つがあります。
- ナチュラル系
- モダン・シンプル系
- レトロ・アンティーク系
- 和風・和モダン系
- ラグジュアリー系
- アメリカン系
それぞれの内装デザインについて、具体例を交えて解説します。
ナチュラル系
ナチュラル系の内装デザインでは、テーブルや床材に無垢材を使用する、店内の随所に観葉植物を配置するなど、自然素材を積極的に取り入れているのが特徴です。
色合いも鮮やかな原色や黒といった強い色味ではなく、木材や植物を思わせるアースカラーを中心とした色を使います。
木の素材感や温もりを感じさせる色合いによって、居心地の良い空間を演出できるのがナチュラル系カフェの魅力です。
特に落ち着いた雰囲気の空間でくつろぎたいお客様や自然派志向の若年層、ファミリー層などに好まれる傾向があります。
モダン・シンプル系
モダン・シンプル系の内装は、洗練されたシンプルさが特徴です。
直線を基調とした家具デザインで統一されており、内装にはステンレスやコンクリート、ガラスといった素材が多く使われています。
色合いはシックで落ち着いたカラーリングが中心で、特に白や黒、グレーなどのモノトーンが多く、スタイリッシュで都会的な印象が魅力です。
モダン・シンプル系のカフェはオフィス街や都市部に多く見られ、働く世代の利用者から支持される内装です。
レトロ・アンティーク系
レトロ・アンティーク系のカフェは、懐かしさやノスタルジーを感じさせるデザインが特徴です。
アンティーク家具や古道具をインテリアに使ったり、クラシカルな柄の壁紙を取り入れたりなど、古き良き時代の雰囲気を再現するような空間づくりをします。
たとえば、昭和中期の喫茶店でみられたレジカウンターやソファなどの家具、食器類など、特定の年代を思い起こさせるアイテムでそろえ、テーマ性を持たせるのもアイデアの一つです。
訪れるお客様に昭和中期の雰囲気を感じてもらうことで、非日常的な落ち着きを演出できます。
レトロ・アンティーク系のカフェは、懐かしさや親しみを感じやすい中高年層はもちろん、ゆったりした時間を過ごしたい層にも人気です。
和風・和モダン系
和風・和モダン系は、日本ならではの伝統美を現代的にアレンジしたデザインが特徴です。
日本らしい畳や障子などのアイテム、竹や和紙といった日本独特の素材を活かしつつ、現代的な家具や照明と融合させることで、洗練されたモダンな空間になります。
日本政府環境局(JNTO)の推計によると、2025年5月時点の推計で2025年4月に日本を訪れた訪日外国人数は約390万人でした。
これは、前年同月比28.5%の増加を記録しており(出典:株式会社JTB総合研究所)、インバウンド需要は依然として高い水準です。
こうした状況下で日本らしい素材や意匠を取り入れた和風・和モダン系のカフェは、特にアジア圏をはじめとした外国人観光客から強い支持を受ける傾向にあります。
また、年配の方はもちろん、伝統的な日本の美意識を再評価する若い世代にも人気が広がっています。
ラグジュアリー系
ラグジュアリー系のカフェは、上質で洗練された高級感を演出するのが特徴です。
素材も大理石やベルベット、真鍮やクリスタルの照明など、高級素材を多用します。
シャンデリアや豪華な家具を使って空間を華やかに演出し、ホテルラウンジのような非日常感を味わえる内装です。
ラグジュアリー系カフェは富裕層や、特別な日をゆっくり過ごしたい顧客層に向いています。
アメリカン系
アメリカン系のカフェは、アメリカのレトロな雰囲気やポップで活気のあるアメリカンダイナーの空間を再現しているのが特徴です。
色合いは鮮やかで目を引く赤や青、ネオンカラーが一般的です。
たとえば、入口にはブリキの看板を設置し、ヴィンテージ調の赤いビニールソファやネオンサインをカウンターまわりに配置すれば、1960年代のアメリカンダイナーの雰囲気を再現できます。
また、壁面にルート66の地図や映画のポスター、アメリカ車のナンバープレートなどを飾り、天井からアメコミ風の装飾を吊るすと、アメリカ文化を前面に打ち出した賑やかな空間が演出できます。
アメリカン系のカフェは中高年層にとっては懐かしさを感じ、若年層にはSNS映えする非日常空間として好評です。
ハンバーガーやホットドック、パンケーキなどのアメリカンメニューとの相性もよく、一体感のある空間作りができます。
カフェ内装はトレンドの意識も重要!
カフェの内装は、その時代のライフスタイルや価値観、消費者のニーズを反映する要素が強く、トレンドとの連動性が高い特徴があります。
時代ごとの社会背景や文化の影響を強く受け、日本国内のカフェも以下の表のように変遷してきました。
年代 | トレンド | 特徴 |
---|---|---|
1970年代〜1980年代 | 純喫茶 |
・レトロで重厚感ある内装が特徴 ・赤やブラウンを基調としたビロード張りの椅子、ステンドグラス風のランプ、木製のテーブルなどが代表的 |
1980年代後半〜1990年代 | アメリカンカフェ |
・「アメリカンダイナー」風カフェが若者を中心に人気 ・明るくポップな内装で、ネオンライト、カラフルな装飾が特徴 |
1990年代後半〜2000年代前半 | チェーン系カフェ |
・1990年代後半、日本にスターバックスをはじめとした海外チェーン店が進出 ・木目を活かしたナチュラルな内装、ソファ席、落ち着いた照明を取り入れ、「サードプレイス(第三の場所)」としての新しい価値観が定着 |
2000年代後半〜2010年代前半 | 北欧・ナチュラル系カフェ |
・北欧インテリアブームに伴い、シンプルでナチュラルなデザインが流行 ・白や淡い色調を基調とし、無垢材の家具や温かみのあるファブリックを使った北欧スタイルが特徴 |
2010年代後半〜2020年代前半 | SNS映え |
・スマートフォンやSNSの普及と共に、カフェ内装のトレンドも大きく変化 ・「SNS映え」を狙った空間づくりが重視され、華やかなフラワーウォール、ネオンサイン、ポップな色彩、アート性の高い内装が特徴 |
2020年代 | 多様化 |
・環境意識の高まりからサステナブルな素材を使った内装が人気 ・アウトドア要素を取り込んだ「キャンプ系」カフェや、リモートワークに適した多目的空間としての機能性が求められるなど、時代のニーズを反映した進化が特徴 |
カフェの内装トレンドは、数年単位で変化するのが特徴です。
新装開店時やリニューアルする際は、そのタイミングのトレンドはもちろん、過去からの流れも理解しておくことで、一過性の流行に左右されず、長期的に支持される空間設計が可能になります。
ただ、近年ではカフェの内装も「多様化」しており、多彩なコンセプトのカフェが作られています。
特に次の段落で解説するポイントが近年のカフェ内装のトレンドになっているため、意識してみてください。
多様化するカフェの内装はどこで差をつける?
多様化するカフェの内装で差をつけるために意識すべきポイントは、大きく分けて3つあります。
- SNSに写真を投稿したくなるような内装デザインを意識する
- 多目的・フレキシブルな空間設計を心がける
- 明確なテーマ性・ストーリー性のある内装デザインを意識する
以下の段落で、それぞれのポイントを詳しく解説します。
SNSに写真を投稿したくなるような内装デザインを意識する
近年ではカフェの内装にも、SNSに写真を投稿したくなるような「映える」空間づくりが必須条件となっています。
たとえば、特徴的な壁紙やネオンサイン、おしゃれなアートウォールなど、一目で「ここでしか撮れない」内装デザインを意識して空間をつくることがポイントです。
コンセプトに合わせつつ、他店にはない家具やインテリアを取り入れたり、照明を工夫したりするのもいいでしょう。
フォトスポットを設置するのもおすすめです。
多目的・フレキシブルな空間設計を心がける
リモートワークやノマドワークの普及を背景として、カフェにも作業スペースとして快適に使える内装が求められるようになりました。
電子機器を接続できる電源やWi-Fi環境を備えているのはもちろん、座席ごとに仕切りを設けたり、遮音性能の高いエリアを設置したりなど、作業しやすい工夫を施す必要があります。
また、作業専用スペースやミーティング用スペースとして、多目的に利用できる柔軟な空間設計もトレンドの一つです。
特にビジネス層やクリエイティブ業務に従事する利用者をターゲット層として設定するのであれば、こうした空間設計のトレンドは必須の要素として取り入れるべきでしょう。
明確なテーマ性・ストーリー性のある内装デザインを意識する
カフェの内装では、単におしゃれな空間を作るだけでは思ったほどの集客につながらない可能性もあります。
近年の設計トレンドでは、コンセプト型カフェや内装に物語性を持たせる手法が定着してきました。
特に若年層の共感やSNSでの拡散を狙う場合、明確なテーマ性やストーリー性を意識して内装デザインに反映させる必要があります。
たとえば、以下の4つのような内装デザインです。
- サステナブル・エコを意識した内装デザインを取り入れる
- DXを取り入れた空間にする
- アウトドア要素を取り入れた内装デザインを取り入れる
- ミニマル・シンプルな内装デザインを取り入れる
それぞれの内装デザインについて、以下の段落で詳しく解説します。
サステナブル・エコを意識した内装デザインを取り入れる
世界規模で環境問題が叫ばれるようになり、カフェの内装にもサステナブルな素材を積極的に採用するのがトレンドになってきました。
たとえば、内装に木材を取り入れる場合、無垢材の代わりにFSC認証を受けたリサイクル材や再生木材などを使うことで、森林資源保護に配慮した内装が実現できます。
ほかにも竹やオーガニックコットン、漆喰のような環境負荷が少ない素材を使い、エコロジカルでナチュラルな印象を演出するのもおすすめです。
「サステナブルなカフェ」としてSNSやメディアで取り上げられると、環境意識の高い層からの支持が集まりやすくなります。
また、SDGsに取り組んでいる企業とコラボできれば、ブランディングでも有利に働くでしょう。
DXを取り入れた空間にする
従来のアナログ主体の内装から進化し、近年ではデジタル技術を融合させた「体験型」カフェがトレンドとして注目されています。
タブレットやスマートフォンを利用したセルフオーダーシステムによって業務の効率化が図れるだけではなく、プロジェクションマッピングを活用し、壁や天井に映像を投影する演出も可能になりました。
また、スマート照明を導入すれば、朝は白色光で集中力を高められる空間、夜は暖色でリラックスできる空間を演出できます。
時間帯によって異なるニーズに合わせた照明演出ができれば、顧客満足度の向上も期待できます。
アウトドア要素を取り入れた内装デザインにする
2010年代の中頃からキャンプ人気は高まっていましたが、コロナ禍で新たにキャンプを始める人が増え、2020年から2021年ごろにかけて、国内旅行におけるキャンプ場利用率やキャンプ場の平均稼働率が上昇しました。(出典:公益財団法人 日本交通公社)
こうした屋外志向や自然志向の高まりを受けてアウトドア市場も継続的に成長し、その影響でカフェにもアウトドアテイストを取り入れた内装が増加しています。
たとえば、テントやキャンプ用具、アウトドア仕様のテーブルやイス、ハンモックなどをインテリアに活用したり、グリーンをふんだんに取り入れたりなど、屋外の空間を再現したような空間です。
アウトドア要素を取り入れることで、都市にいながらアウトドア感覚を楽しめる空間がトレンドになっています。
ミニマル・シンプルな内装デザインを取り入れる
リバイバル的に、ミニマルでシンプルなデザインも人気が出ています。
ミニマル・シンプルな内装デザインは装飾を極限まで減らし、視覚的ノイズを排除して空間に余白と静けさを生み出すことで、落ち着いた雰囲気と集中しやすい環境を実現できるのが特徴です。
白・黒・グレーなどの落ち着いた色調のニュートラルカラーを基調とし、シンプルな家具や照明だけで構成された空間が、都会的で落ち着いた印象になります。
カフェの内装施工事例
コンセプトの異なる事例として、以下の3つを紹介します。
- モダンで落ち着いた内装のカフェ
- 開放感あふれる居心地の良い内装のカフェ&レストラン
- スタイリッシュでモダンな内装のカフェ&ダイニング
実際に施工されたカフェの内装事例を確認することで、具体的な設計イメージをつかみやすくなり、自店舗のデザイン検討にも活かせます。
それぞれの事例を詳しく見ていきましょう。
モダンで落ち着いた内装のカフェ
千葉県にある、秀建が建築躯体から関わったカフェの事例です。
店内は白を基調としつつ、随所に黒を取り入れ、温かみのある木目調の家具やカラフルな椅子も採用しています。
お客様にくつろいでカフェタイムを過ごしてもらえる、落ち着いた雰囲気のモダンな空間です。
開放感あふれる居心地の良い内装のピッツェリア&カフェ
大阪で秀建が建築から内装までを担当した、開放感あふれるカフェの事例です。
緑あふれる公園内という立地を活かし、自然を感じながらゆっくり食事やカフェタイムを楽しめる空間になっています。
公園の緑を直接感じられるテラス席も含めて全部で200席あり、店内も開放感のある居心地が良い内装です。
スタイリッシュでモダンな内装のカフェ&ダイニング
千葉県の駅前モール内にある、モダンな内装のカフェ&ダイニングの事例です。
温かみのある木目調のテーブルや椅子を取り入れ、シンプルながら細部のデザインにこだわっています。
店舗中央に配置されたグリーンディスプレイが天井面に映り込み、他にはないスタイリッシュな空間が演出されています。
内装にこだわった魅力的なカフェで話題性と集客力を高めよう!
戦略的にカフェの内装を設計することで、集客力の向上や客単価のアップ、再訪率の改善やブランドの認知拡大といった経営面での多角的な成果が期待できます。
また、スタッフにとっても、居心地の良い内装のカフェで働けることがモチベーションアップにつながります。
カフェの内装デザインにはさまざまな種類がありますが、コンセプトやターゲット層を踏まえるのはもちろん、トレンドも意識したうえで決めることが重要です。
秀建では豊富な実績と施工ノウハウをもとに、カフェをはじめとした店舗の内装を数多く手がけています。
国内に複数の拠点を持ち、協力企業ネットワークも活用できる体制を整えているため、全国対応可能です。
「内装にこだわったカフェを作りたい」と考えている方は、ぜひ秀建にご相談ください。