(株)秀建 編集部
2023.11.7
フィットネス・スポーツジム最新トレンドと2023年の市場規模

この記事では、フィットネス・スポーツジムの開業や事業展開を検討している方に向けて、2023年現在の業界トレンドと市場規模について解説します。
コロナ過に大きく需要を減らしたジム業界ですが、その後は健康ブームの追い風もあり堅調な回復を見せています。需要の回復とともに、パーソナル型・バジェット型・非接触型などビジネスモデルも多様化していますので、最新トレンドをチェックしましょう。市場規模についても売上高・店舗数などのデータを分析しますので、ぜひ参考にしてください。
コラムのポイント
- ・フィットネス・スポーツジムに対するユーザーニーズは多様化しており、地域の需要や市場動向に合わせた店舗・サービスづくりが求められます。
 - ・ジム業界の売上高・会員数は回復基調にあるものの、コロナ前の水準には達しておらず、まだ伸びしろがある状態と言えそうです。
 
フィットネス・スポーツジム業界は大きく変化している

コロナ過によって外出自粛を余儀なくされた2019~2020年は、フィットネスクラブやスポーツジムの売上高が大きく減少しました。しかしその後は、自宅待機やテレワークによる運動不足解消を目的としてジムに通い始めるユーザーが増加しました。コロナ過をきっかけに健康への意識が高まったことも後押しし、2023年も健康ブームによりフィットネスクラブやスポーツジムはにぎわっています。
コロナ過では接触を避けるためのオンラインフィットネス、非接触型フィットネスなど、新たなビジネスモデルが数多く誕生しました。さらに、健康・美容・ストレス解消などユーザーニーズが多様化し、それに応える形でさまざまな業態が生まれています。
このような状況は大きなチャンスですが、確実に需要をつかむためにはトレンドを把握し、ユーザーが通いたいと思う施設・サービスをつくる必要があります。
フィットネス・スポーツジムの最新トレンド
2023年現在、話題を集めているフィットネスジム・スポーツジムの最新トレンドをチェックしていきましょう。
バジェット型ジム

従来のジムよりリーズナブルな料金で利用できるバジェット型ジムは、最近急激に店舗数を増やしているジャンルです。
欧米から広がったバジェット型ジムは、手軽さから日本でも需要が増えており、大手企業が新たに参入するケースも増えています。
参照:PRTIMES
パーソナルジム

マンツーマンで自分専用のトレーニングメニューを組んでもらえるパーソナルジムは、ここ数年人気が高まっているジャンルの1つです。
パーソナルトレーニングを受ける方の目的は、本格的なパフォーマンスアップからダイエットや健康管理などさまざま。需要の多様化に伴い、特定の目的に特化したパーソナルジムも増えているようです。
例えば、ボディメイクが目的の女性ユーザーを対象とした、「脚痩せ専門パーソナルトレーニングジム」のような業態も登場しています。あまりほかの人に見られたくないボディメイク・ダイエットにおいて、完全個室のパーソナルジムは相性が良さそうですね。
参照:PRTIMES
子連れでメイク崩れを気にせず通える個室のパーソナルジムは、女性からの人気が高いという情報も。女性専用ジムも増えており、さらなる盛り上がりが期待できそうなトレンドと言えるでしょう。
参照:日本経済新聞
暗闇フィットネス
海外発祥の暗闇フィットネスジムも、大きな話題を集めているジャンルの1つです。
暗闇の中で映像や音楽を流しながら行うフィットネスは、没入感と消費カロリーが高く、ダイエットやリフレッシュに適していると評判です。
主要都市を中心に海外大手の出店が相次いでおり、大型イベントの話などもあるためさらに需要が高まりそうなジャンルですね。
参照:産経新聞
スマホ完結型のジム
スマートフォンで予約、解錠でき、24時間利用できる非接触型のジムも数を増やしています。このような業態はコロナ過をきっかけに増えましたが、誰の目も気にせず好きなときに利用できる手軽さが人気を集めているようです。
参照:PRTIMES
健康経営促進の法人プラン
筋トレやフィットネスの効果に注目し、福利厚生の一環として採り入れる企業も増えています。従業員の健康管理に取り組む企業を対象とした「健康経営優良法人認定制度」もスタートし、法人向けプランのあるジムも増えているようです。今後、健康経営の注目度と重要性が高まれば、法人のジム利用と需要もさらに期待できそうですね。
参照:NHK
参照:PRTIMES
2023年のフィットネスクラブ・スポーツジムの市場規模・動向

フィットネスクラブやスポーツジムの市場規模や2023年現在の動向について、経済産業省のデータを参照してみましょう。
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 売上高  | 
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 2018年  | 
 337億2,630万円  | 
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 2019年  | 
 334億7,800万円  | 
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 2020年  | 
 223億5,170万円  | 
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 2021年  | 
 245億310万円  | 
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 2022年  | 
 268億2,640万円  | 
売上高は2019年まで300億円規模で推移していましたが、2020年はコロナ過によって100億円以上落ち込みました。その後はコロナ過の収束と健康ブームによって回復基調を続けています。2022年の段階でコロナ前の300億円レベルまで回復していませんが、逆に言えばまだ伸びしろがあると言えるでしょう。
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 売上高  | 
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 2022年6月  | 
 22億7,490万円  | 
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 2022年7月  | 
 22億9,010万円  | 
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 2022年8月  | 
 22億5,860万円  | 
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 2022年9月  | 
 23億50万円  | 
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 2022年10月  | 
 23億320万円  | 
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 2022年11月  | 
 23億70万円  | 
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 2022年12月  | 
 23億81万円  | 
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 2023年1月  | 
 22億7,300万円  | 
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 2023年2月  | 
 22億5,460万円  | 
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 2023年3月  | 
 23億1,850 万円  | 
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 2023年4月  | 
 22億8,870万円  | 
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 2023年5月  | 
 23億4,330万円  | 
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 2023年6月  | 
 23億7,180万円  | 
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 2023年7月  | 
 23億8,530万円  | 
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 2023年8月  | 
 23億4,160万円  | 
2023年8月までの売上高を月単位で見ても、回復基調が続いていることが分かります。
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  | 
 利用者数  | 
 店舗数  | 
 従業員数  | 
| 
 2018年  | 
 2億2,144万8,711人  | 
 1426  | 
 44315  | 
| 
 2019年  | 
 2億1,913万6,966人  | 
 1461  | 
 45723  | 
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 2020年  | 
 1億4,626万1,102人  | 
 1583  | 
 43655  | 
| 
 2021年  | 
 1億6,442万7,238人  | 
 1506  | 
 40737  | 
| 
 2022年  | 
 1億7,409万1,054人  | 
 1500  | 
 40651  | 
利用者数の動向も売上高と同じように、大きく落ち込んだ2020年以降回復基調です。ただし、店舗数と従業員数はほぼ横ばい~微減傾向にあり、売上高とは違う動向を見せています。
これらの数字を見ると、フィットネスクラブ・スポーツジムの需要と売上高は、現在進行形で伸びていることが分かります。ただし、それに伴い店舗数が増えているわけではないため、ただ出店すれば集客できるというわけではなさそうです。
今回ご紹介したようなトレンドを採り入れ、競合にない強みのあるサービス・施設をつくる必要があるという事でしょう。
まとめ
コロナ過からの回復期にあるフィットネス・スポーツジム業界は、2023年現在まだ伸びしろがある状態と言えそうです。
ただし、全体の店舗数は減少しており、ただ新しいジムをオープンするだけで成功する状態ではありません。フィットネス・スポーツジム事業で成功をつかむためには、業界動向やトレンドをしっかり把握して、これまでにない施設やサービスをつくる必要があるでしょう。そのためには、制約の少ない物件や土地を見つけ、技術力が高い施工会社と店舗をつくることが大切です。

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