アパートメントホテルとはどんな業態?開業するメリットや注意点を解説

宿泊施設

アパートメントホテルとはどんな業態?開業するメリットや注意点を解説

海外からの観光需要が回復しつつある日本では、アパートメントホテルという業態が需要を伸ばし注目を集めています。

アパートメントホテルは既存の賃貸住宅・宿泊施設どちらにもない特徴を持っており、新たな選択肢としての可能性を秘めています。

今回はアパートメントホテルの基礎知識から具体的なユーザー層、開業するメリットや注意点を詳しく解説します。

 


コラムのポイント

  • アパートメントホテルのメインユーザーは海外観光客ですが、国内でもさまざまな需要が期待できます。
  • アドレスホッパーや乳幼児のいる家族連れなど、さまざまなユーザーの利用も考えられます。

 

アパートメントホテルとはどんな業態?

アパートメントホテルのリビング

アパートメントホテルとは、キッチンや家電を備えていて、一般住宅のように生活できる宿泊施設のことです。日本では、賃貸住宅とホテルの中間的なイメージが分かりやすいかもしれません。

一般的なホテルより室内は広く、自炊・入浴もできる設備を備えているので、手ぶらで訪れてもそのまま生活することができます。施設によっても異なりますが、部屋の清掃やリネン交換などは最低限、または自分で行うケースも多いです。アパートメントホテルは数週間から一か月単位での契約が基本となり、その分一泊の宿泊費用はホテルより安いです。そのため、長期滞在目的で利用されるのもアパートメントホテルならではの特徴。

キッチンや家具家電付きのマンスリーマンションとも似ていますが、アパートメントホテルはスタッフが常駐し、最小限の人的サービスがある点が異なります。自炊でただ旅費を浮かすだけではなく、ホテルのようなサービスを受けながら、普段と同じように滞在できるのがアパートメントホテルの魅力です。

 

アパートメントホテルのユーザー層は?

アパートメントホテルのリビング

ホテル・賃貸どちらとも異なるアパートメントホテルは、さまざまなユーザー層の需要が期待できます。

 

海外観光客

アパートメントホテルは元々海外の宿泊文化であり、メインユーザーはやはり海外からの観光客となります。特に、長期滞在の訪日外国人にアパートメントホテルは人気。2023年はコロナ明けでインバウンド需要が急速回復しており、さらにアパートメントホテルの需要も高まっていると言われています。

 

アドレスホッパー

テレワークの普及により、決まった住所を持たないアドレスホッパーというライフスタイルを選ぶ方も増加しています。アパートメントホテルの価格・利便性はアドレスホッパーとの適合性が高く、需要の受け皿になるかもしれません。

ライフスタイルが多様なアドレスホッパーは、利便性が高い都市部、働きながら旅を楽しめる観光地など、さまざまなエリアを訪れてくれる可能性があります。

 

乳幼児がいるファミリー観光客

小さなお子さんを持つ家族連れの観光客の間でも、アパートメントホテルの利便性が口コミで広がっています。

キッチンがあるのでミルクや離乳食の準備をしやすく、土足ではないのではいはいする赤ちゃんが居ても安心して宿泊できます。食事中に騒いでしまうことが多い小さなお子さんが居ても、アパートメントホテルのキッチンで自炊すれば迷惑も気になりません。

遠方の実家への帰省など、お互いに気を使うケースでもアパートメントホテルが受け皿になる可能性があります。

 

アパートメントホテル開業のメリットとは?

対面キッチンのアパートメントホテル

一般的なホテルと比較して、アパートメントホテル開業には次のようなメリットがあります。

 

長期滞在による安定した収益

アパートメントホテルは数週間~一か月単位の長期滞在が基本となるため、安定した収益が期待できます。一泊当たりの宿泊料は一般的なホテルより割安ですが、空室リスクは低く抑えられます。

 

インバウンド需要回復による大きなチャンス

訪日外国人の受け入れ再開によるインバウンド需要の急速な回復で、アパートメントホテルは大きなチャンスを迎えています。日本ではまだアパートメントホテルの数が少ないため、確実に需要をつかめる可能性が高いです。

今後競合が増えてきても、早い段階で良い口コミを蓄積できれば集客面でも有利になります。

 

観光資源に乏しい地域でも開業のチャンスがある

アパートメントホテルは出張や留学などさまざまな需要が期待できるため、観光地以外でも開業チャンスがあります。競合が少ないエリアを狙うなど、一般的なホテルにはない戦略も広がる可能性があります。

 

人件費がかかりにくい

最小限のサービスで運用するアパートメントホテルは、一般的な宿泊施設より人件費がかかりにくいのも特徴です。ホテルのような質の高いサービスが必要ないため少ない人数でも運用できますので、採用・教育コストも抑えられます。慢性的な人手不足が続く宿泊業界において、大きなメリットと言えるでしょう。

また、固定費が少ないということは、閑散期などで一時的に売り上げが低下したときのリスク軽減にもつながります。

 

アパートメントホテル開業のデメリットや注意点は?

広いアパートメントホテルのリビング

メリットがたくさんある一方、費用・トラブルリスクなどのデメリットや注意点も存在します。

 

初期費用が多めにかかる

アパートメントホテルはキッチンや冷蔵庫などをそろえる必要があるため、一般的なホテルより初期費用は多めにかかる可能性があります。室数が多くなるほど差額も大きくなるので、綿密な資金計画が求められます。

ホテルより一部屋の面積が広く、一泊の賃料は少ないため、初期投資を確実に回収する経営計画が必要になるでしょう。

 

騒音や近隣トラブルのリスク

前述したようにアパートメントホテルのメインユーザーは訪日外国人となるため、文化の違いによる騒音・近隣トラブルのリスクも考えられます。家族連れの観光客も多いため、お子さんが走る音や夜泣きなどがクレームの原因になるケースも。

 

広告宣伝の工夫が必要

インバウンド需要を確実につかむためには、国内向けの宿泊施設とは効果的な広告宣伝の方法も異なる点に注意が必要です。

一般的なホテルと同じようなプロモーションでは、海外観光客に認知してもらうことは難しいでしょう。航空券と宿泊予約の連携なども含め、インバウンド需要に強いプロモーション手法を選択しましょう。

 

競合との差別化

日本でもアパートメントホテルの出店が加速している今、競合としっかり差別化することも重要です。特に強みのない施設やサービスでは、価格競争になり十分に利益を上げられない可能性があります。

例えば、アパートメントホテルにサウナを設置するのも一つの差別化アイデアです。共用部分のサウナなら、各部屋に設置するよりコストとスペースを削減できます。

 

インバウンド需要回復の今、アパートメントホテルはチャンス!

「インバウンド再生元年」と言われている今、海外観光客に人気のアパートメントホテル開業には大きなチャンスがあります。また日本国内でもライフスタイルが多様化しているため、さまざまなユーザーニーズを獲得できる可能性も高いです。既存ホテル・旅館との差別化を考えるなら、ぜひアパートメントホテルを検討してみてください。

 

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