(株)秀建 編集部
2025.10.1
【事例あり】病院・クリニックの内装デザイン・レイアウトで重要なポイント!デザインや実際の施工事例も紹介!
病院やクリニックの内装は、患者様にとってリラックスできる空間であるのはもちろん、スタッフにとっても効率よく働ける環境であることが重要です。
それに加えて、「プライバシーへの配慮ができているか」「各種法令を遵守しているか」など、病院・クリニックならではの注意点もあります。
本記事では、病院やクリニックの内装デザインを考えるうえで大事なポイントから工事の流れ、施工会社選びまで詳しく解説します。
このコラムでわかること
● 病院やクリニックの内装は、患者様の安心感や信頼感を高めるだけでなく、スタッフの働きやすさにも直結する要素
● 内装デザイン・レイアウトは「清潔感・プライバシー・動線・診療科目に合った雰囲気」など、医療機関ならではの視点で考える必要がある
● 内装施工会社を選ぶ際には、医療施設特有の法令や基準に精通しており、設計からアフターサポートまで対応できる業者を選ぶことがポイント
病院・クリニックの内装デザイン・レイアウトで重要な8つのポイント
病院・クリニックの内装デザインで重視すべきポイントは、以下の8つです。
- 清潔感があり、衛生管理がしやすい内装にする
- リラックスできる空間デザインにする
- 快適に過ごせる待合スペースのレイアウトにする
- プライバシーに配慮したレイアウトにする
- 診療科に合ったデザインにする
- 患者様とスタッフの動線を分ける
- バリアフリー構造にする
- ブランディングと印象づくりを意識する
それぞれのポイントを掘り下げて解説していきます。
清潔感があり、衛生管理がしやすい内装にする
病院・クリニックの内装では、何よりも清潔感が重視されます。
不衛生な印象を与えてしまうと、患者様に敬遠されてしまうかもしれません。
内装は汚れが目立ちにくく、汚れても拭き取りやすい素材を使用するようにしましょう。
また、白や淡色系の配色にすると、清潔感を演出するのに効果的です。
木目調の素材は温かみを感じさせ、リラックスできる環境づくりには適しているかもしれませんが、本物の木材を使うと木目の凹凸に汚れがたまりやすく、掃除もしにくい可能性があります。
クリニックの内装では、耐久性があり、汚れが付きにくく、掃除もしやすい素材が適しています。
ごみ箱や手洗い場の設置場所も工夫し、患者様、スタッフともに清潔に感じる内装デザインやレイアウトを実現することが大切です。
リラックスできる空間デザインにする
病院やクリニックには、不安や緊張を抱えて来院される患者様が少なくありません。
そのため、心を落ち着けられるような内装デザインを取り入れることが大切です。
たとえば、以下のような工夫によって、患者様が安心して診療や治療に臨める雰囲気を演出できます。
- 穏やかな色調の内装にする
- 温かみのある木目調の素材を用いる
- 適度に自然光を取り入れた空間にする
こうした工夫は、患者様の心理的な負担を和らげるだけでなく、病院やクリニック全体の印象をより良いものにします。
快適に過ごせる待合スペースのレイアウトにする
病院やクリニックの内装では、ゆとりを感じられる空間設計が重要です。
待合室に十分な広さがなく患者様で混み合っていると、落ち着いて順番を待つことができず、待ち時間がストレスにつながってしまいます。
また、付き添いの方が一緒に来院されるケースも多いため、余裕をもったレイアウトで十分なスペースを確保することが求められます。
さらに、長時間待っている間に他の患者様と視線が合うと気まずさを感じることもあるでしょう。
そのため、ソファや椅子の配置を工夫し、患者様同士ができるだけ視線を合わせずに過ごせるよう配慮することが大切です。
プライバシーに配慮したレイアウトにする
病院やクリニックでは、患者様が安心して診療を受けられるよう、プライバシーの確保が欠かせません。
特に待合室や診察室で他の患者様の視線や会話が気になると、不安やストレスが増してしまうため、視線や音への配慮が必要です。
そこで、間仕切りやカーテンを適切に用いることで、視線を遮ることができます。
また、音の反響を抑える効果が高い吸音性に優れた素材を取り入れ、防音性能を重視した内装にするのも効果的です。
受付では、患者様の情報が表示されるパソコンの画面が見えないレイアウトにするなど、患者様のプライバシーに配慮する必要もあります。
患者様とスタッフの動線を分ける
クリニックの内装では、動線を意識することも重要です。
「受付→待合室→診察室→会計」という患者様がスムーズに行動できる動線を確保する必要があります。
動線が適切に確保できていないと、患者様が次に行く場所に迷ったり、動線がぶつかって混み合ったりする可能性があります。
一方で、スタッフが効率よく動ける動線も考えなくてはなりません。
たとえば、診察室から処置室や薬品庫までの距離を短く設計したり、患者様と交わらないスタッフ専用通路を設けるといった工夫が考えられます。
こうした工夫によって無駄な移動が減り、スタッフの作業効率も向上します。
診療科に合ったデザインにする
同じ病院・クリニックといっても診療科目は多岐にわたるうえ、訪れる患者層も異なるため、診療科目に合ったデザインにすることがポイントです。
たとえば、小児科なら明るく楽しい雰囲気、デリケートな内容や不安を抱えた方が来院する婦人科や心療内科などは、落ち着いた空間が向いています。
内科は地域のかかりつけ医として幅広い年齢層の患者様が訪れ、混雑することもあります。
そのため、どのような年齢の方でも居心地よく感じられるような、親しみやすい雰囲気作りを心がけるといいでしょう。
バリアフリー構造にする
病院・クリニックには体調不良の方をはじめ、さまざまな方が来院される可能性があります。
車椅子が欠かせない状態の方や、杖をついている方、ベビーカーを利用している方も来院されることがあるでしょう。
高齢で歩行が困難な方が来院する可能性もあります。
患者様の移動のしやすさや使いやすさを考慮し、バリアフリー構造に気を配ることが必須です。
ブランディングと印象づくりを意識する
周辺の同じ診療科目の病院・クリニックと競合している場合、患者様に選ばれなければ経営を続けていくことはできないでしょう。
しかし、実際にはせっかく開院しても、集客がうまくいかず閉院してしまう病院・クリニックも少なくありません。
そこで大事になるのが、ブランディングです。
特に都市部や自由診療が多い分野では、「内装の印象=選ばれる理由」になることも珍しくありません。
デザイン性や快適性に優れた内装は、それ自体が他院との差別化につながります。
具体的には、ロゴや病院・クリニックを象徴するカラーなどを空間に取り入れると、印象に残りやすくなります。
また、病院・クリニックのイメージに合わせた色づかいで空間を統一するなど、他の病院・クリニックとは異なる印象を患者様に持ってもらえるよう意識して内装計画を練るようにしましょう。
さらに、清潔感や快適さが伝わる内装は、来院した患者様による写真や口コミの投稿を促しやすく、GoogleマップやSNSを通じて新たな集患につながる可能性があります。
ブランディングがしっかりしていると、「あのおしゃれなクリニック」「あの落ち着いた雰囲気のクリニック」といったように、具体的なイメージとともに情報が広まるため、より強力な集患効果が期待できます。
病院・クリニックの内装デザイン会社・施工会社を選ぶポイント
内装は業者選びで左右されるといっても過言ではないため、対応してくれる業者選びも重要です。
特に病院・クリニックの内装では、大規模な総合病院と個人のクリニックで内装デザインの考え方や施工方法に違いがあります。
大規模な病院の内装を依頼したいのに、小規模なクリニックの内装デザインや施工しか手がけたことがないのでは、十分な対応を望めないかもしれません。
大規模な病院の内装を依頼するのであれば、大規模病院の実績がある業者を選ぶことが重要です。
実際に、内装デザイン会社や施工会社を選ぶ際のポイントとして以下の4つがあります。
- 同じ規模感の病院・クリニックの内装を手がけた施工実績がある
- コミュニケーション能力と提案力がある
- 設計からアフターサポートまでワンストップで対応できる体制がある
- 全国どこでも柔軟に対応できる
業者選びの4つのポイントについて、以下で解説します。
同じ規模感の病院・クリニックの内装を手がけた実績がある
病院・クリニックの内装では、医療業界特有の基準や設計要件を内装デザイン会社や施工会社が理解しているかが重要です。
病院・クリニックを建築するためには、建築基準法のほか、医療法やバリアフリー法など、一般的な店舗や事務所とは異なる法令の基準を満たしている必要があります。
たとえば、病床数が20以上あれば「病院」、19未満ならば「診療所」の特殊建築物、病床が0であれば一般建築物の診療所という区分があり、必置設備や廊下幅などの基準に違いがあります。
大規模病院と個人経営のクリニックでは全くやり方や考え方が異なるため、同じ規模の病院・クリニックの内装を手がけた実績があるかどうかを確認しましょう。
実績を調べる際には、まずは施工会社やデザイン会社のHPで事例やクライアントの声を確認すると安心です。
ただし、すべての施工事例が掲載されているとは限らないため、掲載されている中でデザインが気に入ったものやイメージが合いそうなものがあれば、直接問い合わせて確認してみるのも一つの方法です。
提案力がある
内装デザイン会社には要望を丁寧にヒアリングし、クライアントが抱いている漠然としたイメージを具体的な形にしてくれる力が必要です。
また、一方的に提案するのではなく、コミュニケーションを取る姿勢があるかどうかも確認してください。
対話を通じてともに理想の病院・クリニックを造りあげてくれるパートナーを選ぶことが大切です。
打ち合わせの際にこちらの質問に丁寧に答えてくれるのか、こちらの意見をしっかり聞いてくれるのかなどを確認することで、コミュニケーション能力を見極められます。
設計からアフターサポートまでワンストップで対応できる体制がある
内装工事では、設計から施工まで多くのステップがあり、なかにはデザインだけを担当するところや、施工だけを請け負う業者もあります。
依頼する業者がバラバラではやりとりにも手間や時間がかかり、情報の共有も大変です。
設計から施工、アフターサポートに至るまで一貫して任せられる業者を選ぶと、窓口が一本化され、やり取りがスムーズになります。
全国どこでも柔軟に対応できる
地域密着型の業者には地域の事情を把握している強みがありますが、全国規模で対応できる業者も選択肢に入れてみてください。
特に特殊な医療機器を導入する場合は、特定の専門知識がないと対応できない可能性があります。
また、地域をまたいで複数の病院・クリニックを展開する予定がある場合は、広域なネットワークを持つところのほうが有利なケースもあります。
秀建の病院・クリニックの内装施工事例3選
実際に病院・クリニックの内装施工事例として、3例を挙げます。
- 明るく安心感のある空間に生まれ変わった地域の総合病院
- 圧迫感が少なくリラックスできる総合クリニック
- アートの力で病院のイメージを一新した総合病院
どのような病院・クリニックに生まれ変わったのか、以下でそれぞれの事例を詳しく紹介します。
明るく安心感のある空間に生まれ変わった地域の総合病院
1950年に開院した総合病院が、設備の老朽化を契機に内装を一新し、地域の方々が安心してリラックスできる明るい空間へと生まれ変わった事例です。
内装は全体的に木目調の柔らかな色彩を取り入れ、自然の温もりを感じられるデザインに。
患者様やご家族が快適に過ごせる、落ち着きと安心感のある空間を実現しました。
また、フロアごとにアクセントカラーを変えることで、目的の診療科や施設が視覚的に認識しやすい工夫を施しています。
圧迫感が少なくリラックスできる総合クリニック
もともと複数の診療科を展開していた総合クリニックが、新たな診療科目の増設に伴い内装工事を行った事例です。
内装にはナチュラルな木目を取り入れ、明るく清潔感のある雰囲気に仕上げました。
また、スタッフの動線を短縮しつつ、患者様同士の動線が交わらないように配慮。
曲線を活かしたデザインにより、圧迫感の少ない開放的な空間になっています。
アートの力で病院のイメージを一新した総合病院
地域医療に貢献してきた病院が、整形外科を中心とした病院としてリニューアルオープンした事例です。
「アートの持つ力で病院がもつネガティブなイメージをポジティブなものに変えたい」というコンセプトのもと、外観・内装の随所にアートを取り入れました。
自然の風景を思わせるデザイン、自然に会話が生まれる談話スペースの設置、自然素材の活用という3つの「自然」を取り入れることで、患者様もスタッフも快適に過ごせる空間を実現しています。
内装のポイントを押さえて選ばれる病院・クリニックに!
病院・クリニックの内装デザインは、患者様が安心できる空間、プライバシーが保たれる空間など、商業施設やオフィスビルなどとは異なる配慮が必要です。
また、診療科目によっても適した内装には違いがあるうえ、スタッフの働きやすさも考慮しなければなりません。
さらに、病院・クリニックならではの法令に準拠した内装にする必要もあります。
「秀建」では経験豊富なスタッフと蓄積してきた施工実績をもとに、確かな品質の内装工事を提供してきました。
医療施設の内装工事では、総合病院まで含めた多彩な施設の内装に実績があります。
病院・クリニックの内装工事を検討しているのなら、秀建にご相談ください。