2025.7.10

理想のオフィス空間にするための内装のポイントとは?事例やトレンドを紹介

オフィスの内装は、社員のモチベーションや業務効率の向上につながるだけでなく、来客者に企業の印象を与えるなど、ブランディングにも直接関わる重要な要素です。

まさに企業の顔といえるのがオフィスの内装です。

たとえば、エントランスや会議室の雰囲気が洗練されていれば、来訪者に信頼感や誠実さを印象づけやすくなります。

近年では、リモートワークの普及など働き方が多様化し、「この機会に内装をリニューアルして社員の生産性や創造性を高めたい」と考える企業が増えています。

しかし、具体的にどのようなデザインやコンセプトを取り入れるべきか悩む担当者の方も多いのではないでしょうか。

本記事では、そんなオフィス内装を決める際に抑えておくべきポイントなどを実際の施工事例とともに詳しくご紹介します。

このコラムでわかること

●社員の生産性・モチベーション向上やブランディングにおける内装の役割
●快適で機能的なオフィス空間をつくるための基本視点と設計ポイント
●トレンドや事例を踏まえた、企業らしさを表現できる内装づくりのヒント

理想のオフィス空間は「内装デザイン」から!


オフィスの内装デザインは単なる見た目の問題ではなく、社員の働き方や企業文化、ブランドイメージを表現する大切な要素です。

たとえば、周囲の視線や音を気にせず仕事ができる集中ブースや可動式のデスクなど、仕事がしやすい空間では業務効率が高まり、生産性の向上が期待できます。

おしゃれな内装デザインのオフィスでは、出社するのが楽しみになる社員もいるでしょう。

居心地の良いオフィスで快適に仕事ができれば社員の満足度も高まり、仕事へのモチベーションアップや離職率の低下にもつながります。

また、オフィスには取引先など、さまざまな人が出入りすることが多いでしょう。

オフィスは企業の顔であり、内装の印象は来訪者のイメージを左右するポイントの一つです。

内装デザインによって企業文化やブランドイメージを表現できれば、社外に対してのブランディングにもなります。

部署間の連携を促す動線を確保する、共用スペースを工夫するなど、チームの壁を越えたコミュニケーションを生み出す内装デザインも、働く環境づくりにおいて重要な鍵となります。

オフィスの内装の基本要素|押さえておきたい4つの視点


理想のオフィスを作るためには、内装デザインのポイントを踏まえたうえで計画を進める必要があります。

オフィスの内装を考える際に、押さえておきたい基本要素は以下の4つです。

  • レイアウト
  • デザイン
  • 照明・音環境
  • 収納・設備

どうすれば理想のオフィス作りができるのか、それぞれの要素の視点から詳しく解説します。

レイアウト

オフィスのレイアウトを考えるうえで大切なポイントの一つが、効率的なオフィス空間にすることです。

たとえば、集中できるエリアと、社員同士のコミュニケーションを促すエリアを明確に区分することで、業務の効率化と快適性の両立が期待できます。

もし、集中できるエリアがなければ、資料作成や数字のチェックといった個々の社員が取り組む業務がはかどりません。

一方、業務の中には、社員やチームの相乗効果でより生産性がアップするものもあるため、コミュニケーションを活性化できる場所も必要です。

連携の多い部署同士を近くに配置することで動線がスムーズになり、オフィスの中央にオープンスペースを配置すれば、社員同士の交流も促進できます。

ただし、レイアウトや動線は企業によって理想とする視点が異なる場合もあるため、企業の規模や業種、働き方などを踏まえて考えることが重要です。

デザイン

オフィスの内装は統一された色づかいや素材、インテリアの統一感によって「落ち着いた雰囲気」や「活気のある空間」など、印象が変わります。

デザインに統一感を持たせると社内の雰囲気が整うのはもちろん、来客や採用時の求職者の信頼感や共感を得やすくなります。

デザイン面で特に注意しておきたいポイントは、以下の3つです。

  • 色の組み合わせ
  • 素材感
  • 家具とインテリアの統一感

3つのポイントについて、さらに詳しく掘り下げて解説します。

色の組み合わせ

オフィス内の配色は、特に注意したいポイントです。

企業カラーがあれば、そのカラーをベースにして配色を決めるのもおすすめです。

ベースカラーにアクセントカラーを加えることで、メリハリのある空間演出も可能です。

企業カラーをベースとした配色は空間の一体感を高めるだけではなく、社員や来訪者に対して落ち着きや親しみやすさといった心理的な安心感を与える効果があります。

企業カラーを取り入れた内装デザインは、ブランディングの面からみても効果的です。

企業を象徴する色が使われたオフィスの内装は、取引先など外部のステークホルダーに対して企業のイメージや理念、意図などが伝わりやすいメリットもあります。

また、色は心理に対して明確な影響を与えることが複数の実証的研究で確認されているため、企業カラー以外の色を選ぶ場合も注意が必要です。(出典:相馬一郎『色彩の心理効果』色材 第58巻 第9号, pp.553, 表3-3

たとえば、活力や情熱といった情動的反応を引き起こすことが報告されている赤は、活発な議論が交わされる会議室などに向いています。

気持ちを落ち着かせる効果のある青は、集中して作業したいスペースに取り入れるといいでしょう。

安らぎやくつろぎを感じさせる緑などのアースカラーはリラックス効果が期待できるため、リフレッシュスペースなどに使うのがおすすめです。

素材感

内装デザインでは色だけではなく、素材感も大事なポイントです。

たとえば、同じ色でもマットな仕上げと光沢のある仕上げでは、受ける印象がまったく異なります。

そのため、床・壁・カウンターなどに使用する素材の質感によって、空間を柔らかく見せたり、シャープに引き締めたりと、雰囲気に大きな変化を与えることができます。

また、壁を温かみのある木目調にするか、無機質な石目調にするかでも、空間のイメージには違いが出ます。

たとえば、木目模様には「親しみやすい」「落ち着きがある」「自然で上品」などの印象を与える結果が実験によって確認されている一方、過度に直線的な素材や無機質な素材は「人工的」「冷たさ」などの印象につながる傾向が示されています。(出典:岡島達雄ほか『木目模様の心理効果』日本建築学会論文報告集 第377号, p.3

コンセプトによってはコンクリートの打ちっぱなしや、自然素材の漆喰を使った壁がマッチするケースもあるでしょう。

たとえ同じ色を使っていても、木材のマットな質感は温かみや落ち着きを生み出し、反対に金属の光沢はクールで洗練された印象を与えます。

素材の選び方で企業の雰囲気も表現することができます。

家具とインテリアの統一感

オフィス内に配置する家具やインテリアで、統一感を出すのもポイントの一つです。

インテリアの統一感は来訪者に洗練された印象を与え、企業イメージの向上にも直結する大事な要素です。

社員にとっても、おしゃれなオフィスで働けることは、仕事への前向きな姿勢や定着意欲の向上につながります。

デスクやチェア、カーテンやアートなどを同系のテイストでそろえると空間全体に統一感が生まれ、見た目にもすっきりとした印象になります。

照明・音環境

光と音の環境は、オフィスの居心地を左右します。

照明は使い方次第で空間を明るく開放的に見せたり、落ち着いた雰囲気を演出したりできるため、オフィスの内装設計では重要です。

ただ、照明は単に内装で欠かせない要素であるというだけではなく、明るさや色温度によって目の疲れや集中力に影響があるとされ、社員の健康や作業効率にも関係します。

また、音環境も同様に、オフィスの快適性を実現するためには大事な要素です。

自然光をうまく取り入れた空間になっていたり、反響を和らげる素材を用いれば静かな環境が維持できるため、集中力を維持しながら、心地よく過ごせるリラックスしたワークスペースを実現できます。

場所ごとの照明の明るさや配置を考える

照明には、それぞれの場所に合わせて、最適な明るさや配置があります。

執務エリアと会議室、エントランスやリラックススペースでは、求められる照明の明るさや光の色味も異なります。

「作業効率を高めたい」「リラックスできる雰囲気を演出したい」など、それぞれの空間の用途を考え、照明を調整することが重要です。

たとえば、明るすぎる照明は目の疲れや頭痛の原因になり、長時間の作業に支障をきたすおそれがあります。

しかし、照明が暗すぎると書類やパソコンの画面が見えにくくなり、集中力が低下してミスが発生しやすくなるため、執務エリアでは自然な光で長時間の作業もしやすい昼白色の照明が向いています。

活発な議論が行われる会議室や、精密な作業をする場所ならば、すっきりした印象で集中力が高めやすい昼光色が適切です。

温かみのある落ち着いた雰囲気の電球色は副交感神経を優位にし、リラックス効果を促進する色温度とされているため、休憩エリアに適しています。

また、照明の種類や形状によって、設置に適した場所も変わるため、用途に応じた照明の選定が必要です。

たとえば、天井に取り付けるタイプの照明で、広範囲を照らせるシーリングライトは、執務エリアや会議室に向いています。

一方、特定の対象を際立たせるスポットライトは、エントランスやオブジェクトを照らす照明として効果的です。

それぞれの空間が快適になるよう、適切な照明を選びましょう。

収納・設備

オフィスの空間は収納やオフィス機器の配置によって、視覚的な印象と作業効率の両方が左右されます。

たとえば、壁面を無駄なく収納スペースにすれば、オフィスの作業スペースを広く取れるでしょう。

目立たない場所に収納を集約したり、デッドスペースを有効活用したりすると、視覚的にも作業面でもすっきりと整った印象になります。

また、多機能な家具を選ぶのもアイデアの一つです。

たとえば、ハイカウンター付きの収納ならば、必要な物を収納しつつ、簡単なミーティングのスペースとしても活用できます。

さらに、キャスター付きの収納は空間を緩やかに仕切りながら、必要に応じて柔軟に移動させることも可能です。

高さや幅を自由に組み合わせて使える収納家具ならば、使用頻度に応じて棚の位置を調整できるのはもちろん、将来レイアウトを変更したいときにも対応できます。

オープンシェルフなどの見せる収納と見せない収納を組み合わせると、すっきり機能的な環境にしながら、おしゃれに見せられるでしょう。

おしゃれなオフィスの内装のトレンド


オフィスの内装は時代の変化に応じて、その役割や、求められる機能が変化しています。

生産性重視の時代からコロナ禍を経て、オフィスのあり方も大きく変化しました。

近年では、以下のようなオフィスの内装がトレンドになっています。

オフィスの内装のトレンド

詳細

フリーアドレス/ABW導入オフィス

・リモートワークや、業務内容に応じて働く場所と時間を柔軟に選べる働き方(ABW)に対応できるオフィス

・フリーアドレスやミーティングスペースなど、業務内容に合わせて使える機動性のある空間

ナチュラル素材を活かしたオフィス

・木材や観葉植物などの自然を感じさせるナチュラル素材を取り入れたオフィス

・オフィスを居心地の良い空間にすることで社員のストレスを軽減しつつ、生産性の向上にも効果が期待できる

カフェ風・リラックス空間を取り入れたオフィス

・居心地の良いカフェを思わせる内装は、リラックスできる環境だからこそアイデアが生まれやすい業種に向く

・社員同士のコミュニケーション活性化にも役立つ

ブランディングを意識したオフィス

・コーポレートカラーを内装に取り入れるなど、企業ブランディングを意識したオフィスにすることで、来訪者にも企業のイメージを伝えられる

おしゃれなオフィスの内装事例

自社の空間づくりのイメージをより具体的にしていただくため、実際に秀建が手掛けたオフィスの内装事例を4つ紹介します。

  • 顧客へのアプローチ力を高める内装
  • 無骨さと洗練を兼ね備えた内装
  • オフィスから進化した「食」のクリエイティブ内装
  • 使いやすさと開放感を兼ね備えた内装

4つの内装をチェックしながら、オフィスづくりの参考にしてください。

顧客へのアプローチ力を高める内装


ワークウェアの企画・製造・販売を手がける「株式会社 TS DESIGN」の東京支店の内装を、秀建が担当した実例です。

商品を視覚的に訴求できる展示室と、落ち着いた環境で商談できるLABを設けることで、営業活動の質を高める動線が整いました。

内装は素材感を大事にしつつ、黒を効果的に取り入れ、スタイリッシュな雰囲気になっています。

株式会社藤和 東京支店

無骨さと洗練を兼ね備えた内装


鉄筋工事を事業とする「株式会社ダイニッセイ」様の新社屋の新装工事の事例です。

製造工場だったビルにもともとあった鉄骨のレールを残しつつ、ブリック調の壁に緑を設けるなど、無骨になりすぎない内装になっています。

エントランスの鉄格子は、株式会社ダイニッセイ様が自ら施工されました。無骨さと洗練を兼ね備えた、ショールームのような空間に仕上がっています。

株式会社ダイニッセイ

オフィスから進化した「食」のクリエイティブ内装


リエイグループが手がける食の研究所・開発基地として、千葉県にオープンした施設の設計・施工を秀建が担当しました。

白を基調とした天井と壁、木目の美しいヘリンボーン床に加えて、黒をアクセントとして取り入れた設計です。

厨房設備を備え、コミュニケーションスペースやセミナールームとして活用できる明るく広々とした空間になっています。

RIEI FOOD LABO

使いやすさと開放感を兼ね備えた内装


秀建が自社の浦安支店を改装した事例です。

1Fのカフェスペースを、執務室や打ち合わせスペースとして活用できるようにしました。

複数のグループが同時に打ち合わせをできるようにレイアウトを工夫し、TV会議にも対応できるようにしています。

随所に黒を配置しつつ、温かみのある木目調の素材をふんだんに取り入れ、窓を広くとった開放的な空間です。

株式会社秀建 浦安支店

内装工事はトータルサポートできる業者がおすすめ


オフィスの内装工事は、空間の設計から内装デザイン、家具選定、施工に至るまで、複数の工程を経て完成します。

それぞれの工程には専門性が求められるため、全体を一貫してサポートできる業者に依頼することで、理想のオフィス空間をスムーズに作り上げることができます。

なかには、設計やデザインのみを手がける会社や、施工のみを担当する業者もあり、必要に応じて個別に依頼することも可能です。

その点、設計から施工、アフターサポートまでワンストップで対応できる秀建のような会社であれば、各工程の連携がスムーズで、品質やデザインの一貫性も担保できます。

豊富な実績に裏付けられた提案力と柔軟な対応力により、業種や企業文化に合わせた最適なオフィス空間づくりが可能です。

内装にこだわって理想のオフィス空間を作り上げよう!


理想的なオフィスの内装を設計するためには、「レイアウト」「デザイン」「照明・音環境」「収納・設備」の4つを重点的に検討することが欠かせません。

また、オフィスに求められるものは時代によっても変化するため、理想のオフィス空間を作るためにはトレンドをチェックする必要もあります。

秀建ではオフィスをはじめとしたさまざまな内装はもちろん、外構や建築まで幅広い業務領域に対応し、豊富な実績と施工ノウハウを有しています。

アフターメンテナンスにも対応しているため、内装にこだわったオフィス空間作りなら、ぜひ秀建にご相談ください。

監修者情報

(株)秀建 編集部

(株)秀建 編集部

店舗やオフィスの設計・内装・施工、公共工事のプロフェッショナル(株)秀建が発信するオウンドメディア。
設計・内装・施工に関する豊富な知識と経験をもとに、役立つ情報や最新のトレンドを皆様にお届けしています。

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