2022年消防法改正でサウナはどう変わる?5つのポイントを解説

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2022年消防法改正でサウナはどう変わる?5つのポイントを解説

サウナ開業では消防法で定められた基準に則り施設を造る必要がありますが、2022年に改正されていることをご存じでしょうか。

2022年の消防法改正では、サウナの物件探しやレイアウトなどに関わる重要なポイントも変更されています。

今回は消防法改正でサウナに影響するポイントを5つピックアップし、内容を詳しく解説します。

 


コラムのポイント

・2022年の消防法改正は、サウナ開業にとって大きなチャンスです。

・法改正によってサウナ物件選びやレイアウトの幅が広がる可能性があります。


 

2022年消防法改正によるサウナの影響

消防法で定められたサウナの内部

2022年のサウナ関連消防法改正は、基本的に規制が緩和され物件選びやレイアウトなどの選択肢が増える内容です。

詳しい内容はこの後一つずつ解説しますが、二方向避難の緩和や床面積上限の拡大など、サウナ施設にとって追い風となる項目が多いです。

サウナ開業を検討している方にとって大きなチャンスとなりますので、しっかり内容を把握しておきましょう。

条文だけでは分かりにくい内容も多いので、用語解説なども含め一つずつ具体的に掘り下げて解説します。

 

①2方向避難について

二方向避難 非常口

建築基準法で「特殊建築物」に分類されるサウナは、2方向避難の確保が義務付けられています。

2方向避難とは、火災などが発生した際に1つの避難路がふさがれても、別ルートで避難できるようにすることです。

2022年の消防法改正では、一定の条件を満たすことを条件に2方向避難の義務が緩和されました。

条文、用語解説、ポイントの順に解説しますので、お急ぎの方は条文を飛ばしていただいても大丈夫です。

 

改正前

対流型サウナ室を設置する場所は、避難階又は避難階まで直接通じている階段等(避難器具を含む。)による二方向避難が確保されている階に設置すること。

 

改正後の追加条文

ただし、サウナ室の床面積(同一階にサウナ室が複数ある場合はその合計)が30㎡以下であり、サウナ設備に可燃物が容易に接触しないよう特定不燃材料で防護柵が設けられている場合又は可燃物が接触した場合に電源供給を断つことができる場合で、次のいずれかによるときは、これによらないことができる。

1.サウナ室が設置されている階から避難階まで避難することができる屋外階段又は消防法施行規則第4条の2の3に規定する避難階段若しくは特別避難階段を設置した場合

2.サウナ室が設置されている階から避難階まで避難することができる直通階段(準耐火構造の床若しくは壁又は建築基準法第2条第9号の2ロに規定する防火設備(建築基準法施行令第112条第19項第2号の要件を満たすものに限る。)で区画されたもの)を設置し、かつ、避難上有効なバルコニー、屋外通路その他これらに類するもの(建築基準法施行令第121条第1項第3号、同項第6号イ及び第3項に規定するものに限る。)で避難階まで避難することができるものを設置した場合

引用元:日本サウナスパ協会

 

ポイントをまとめると、次の条件を満たすことで2方向避難が緩和されます。

1:サウナ室の床面積が合計30㎡以下

2:サウナストーブに防護柵を設置、または可燃物接触時に電源供給を絶てる状態

3-1:サウナ室から避難階まで避難できる屋外階段or避難階段がある

3-2:サウナ室から避難階まで避難できる直通階段&バルコニーor屋外通路がある

 

□用語解説
  • 避難階=地上へつながる出入り口がある階のこと。一般的なビルでは1階を意味するのが基本
  • 避難階段=災害時に多くの人が安全に避難できるように設けられた、避難階に直接通じている階段のこと
  • 直通階段=次の階への経路を間違えることなく通じていて、扉などがなく避難階まで直通する階段のこと

 

1・2の条件は必須で、3-1・3-2は階段の種類に応じてどちらかをクリアできれば2方向避難が緩和されます。

改正前は床面積に関わらず2方向避難の確保が必須だったため、テナントビル選びで大きなハードルとなっていました。

しかし床面積30㎡以下のサウナで条件をクリアできれば2方向避難が不要になため、物件とエリア選択の幅が広がりそうです。

 

②サウナ室&前室について

サウナ室の内部

サウナ室と前室の法改正については、床面積と出入り口、2つのポイントに分けて解説します。

 

サウナ室の床面積に関する改正

一般的な対流型サウナに関して、改正で床面積の上限が拡大されました。

 

改正前

一の対流型サウナ室の床面積(対流型サウナ室の前室の床面積を含む。)は、30㎡以下とすること。

 

改正後

一の対流型サウナ室の床面積(対流型サウナ室の前室の 床面積を含む。)は、100㎡以下とすること。ただし、30㎡を超える場合には出入口を2以上設けること。

引用元:日本サウナスパ協会

 

□用語解説
  • 前室=サウナ室の出入り口に面する、床面積3.3㎡以下の空間のこと

 

床面積の上限が拡大されたことで、従来の3倍以上の広さのサウナ室を作ることができるようになったということです。

最近はブームにより土日になると混雑するサウナ施設が多く、規制緩和によって大型サウナの登場なども考えられそうですね。

この法改正も、サウナ業界にとって大きな追い風となるかもしれません。

 

サウナ室・前室の出入り口に関する改正

サウナ室と前室の出入り口についても変更があります。

 

改正前

対流型サウナ室及び対流型サウナ室の前室の開口部(換気口を除く。)は、次によること。 ⒜ 出入口とびら及びその他の開口部を設ける場合は、洗場に面する場所であること。

 

改正後の追加条文

ただし、サウナ室の出入口 に面している室が不燃区画室の場合又はスプリンクラー設備により警戒されている場合の当該室(以下当該室及び洗場を「洗場等」という。)はこの限りでない。 なお、2以上のサウナ室を直接出入りすることができる構造としないこと。 また、屋外に面する開口部を設ける場合は、開口部を特定防火設備とすればこの限りでない。

引用元:日本サウナスパ協会

 

改正前はサウナから洗い場に面する出入り口しかつくれませんでした。改正後は条件をクリアすれば、洗い場以外の場所や屋外にも出入り口をつくることができます。

サウナ室から屋外のととのいスペースに直行できる出入り口など、レイアウトの幅が広がりそうですね。

 

③サウナ設備の離隔距離について

サウナストーブの遠隔距離

サウナストーブと周囲の遠隔距離についても、消防法改正による変更があります。

 

改正前

対流型サウナ設備は、第9-1図及び第9-1表に示す離隔距離を有すること。ただし、対流型蒸気サウナ設備は、周囲の可燃物からの距離を10以上とすることができる。

 

改正後の追加条文

なお、電安政令別表第1、六、に規定する電気サウナバスで、電安法第9条に基づく特定電気用品に係る基準に 適合することの検査を受けているもの(以下「電気サウナバス適合品」という。)については、当該適合性が確認された設計寸法とすることができる。

引用元:日本サウナスパ協会

 

改正前はサウナストーブの方式や規格によって遠隔距離が決められていました。改正後は「電気サウナバス適合品」のサウナストーブについては、それぞれ定められた設計寸法で設置できるようになったということです。

具体的な設計寸法は製品ごとに異なるため、メーカーや施工会社と確認する必要があります。

 

④放射型ガスサウナ室の燃焼制御室の構造について

ガスを熱源とする放射型サウナの燃焼制御室についても下記の変更があります。

 

改正前

燃焼制御室の構造は、特定不燃材料で造った壁、柱、床及び天井(天井のない場合は、はり及び屋根)で区画され、かつ、窓及び出入口等に防火戸が設けられていること。

 

改正後の追加条文

ただし、燃焼制御装置(燃焼装置)から周囲を条例第3条第1項第1号に定める離隔距離を要しない構造とし、又は同号の離隔距離(条例別表第3の「ストーブ(右記に分類されないもの)」を準用)が確保されている場合は、特定不燃材料での区画によらないことができる。

引用元:日本サウナスパ協会

 

□用語解説
  • 燃焼制御室=放射型ガスサウナ設備の燃焼制御装置を設置する部屋のこと
  • 特定不燃材=不燃材の中でも特に火に強い、コンクリート・レンガ・金属板などのこと
  • 条例別表第3の遠隔距離=上方:150cm 側方:100cm 前方:150cm 後方:100cm

 

燃焼制御室に一定の遠隔距離を確保すれば、使用する内装材の種類が緩和されるということですね。

 

⑤サウナ室内テレビの窓について

サウナ室内に設置することが多いテレビ窓も法改正の対象となっています。

 

改正前

サウナ室にテレビを設ける場合は、当該テレビを、サウナ室に面し、テレビの設置に供する専用の場所に設け、次によること。

常時閉鎖式の網入りガラス(施錠することができるものをいう。)を使用し、開口面積は0.7以下のもの1か所とすること。

 

改正後に変更された条文

常時閉鎖式(施錠することができるものをいう。)の網入りガラス又は耐熱性を有するガラス を使用したもの1か所とすること。

引用元:日本サウナスパ協会

 

開口面積の制限がなくなったため、大型のテレビを設置することもできるようになりました。

床面積の上限が拡大されたため、遠くの席でも見えるようにするための措置かもしれませんね。

 

まとめ

2022年の消防法改正はサウナ開業を検討する方にとってメリットのある内容であり、大きなチャンスと言えます。

しかし実際のテナント選びやサウナ施設づくりでは、建築基準法や公衆浴場法など、ほかにもさまざまな法規制や基準をクリアしなければなりません。

トラブルを事前回避しスムーズに開業するためには、計画の初期段階から法規制や建築に詳しい専門家のアドバイスを受けるのが望ましいです。

 

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(株)秀建 編集部

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