2026.4.10

【事例あり】サウナへの設備投資は有効?事業にどんなメリットがある?

近年サウナは、ホテルや旅館、フィットネスジム、温浴施設などにおいて注目される設備の一つとなっています。

しかし、サウナを単なる「話題づくり」として取り入れるのではなく、事業投資として本当に価値があるのかを判断することが重要です。

実際に、既存のホテルや旅館、ジム、温浴施設の中には、競合との差別化や集客力の向上を目的として、サウナの新設やリノベーションを検討するケースも見られます。

本記事では、サウナへの設備投資を検討している経営者・担当者の方に向けて投資によって期待できる効果や確認しておきたいポイント、事例を解説します。

このコラムでわかること

●サウナは単なるトレンド設備ではなく、客単価向上・差別化・滞在価値向上などを通じて事業価値の向上につながる可能性のある設備投資
●サウナ投資の成果は、導入目的の明確化や収益シミュレーション、ターゲットとの適合など、経営課題に基づいた戦略的な設計によって左右される
●サウナへの設備投資は、法令対応や動線設計、メンテナンス体制など運営面まで含めて計画することで、継続的な収益モデルの構築につながる可能性がある

事業におけるサウナへの設備投資メリット


サウナを導入することで、さまざまなメリットがあります。

代表的なメリットは、以下の4つです。

  • 客単価・宿泊単価の向上が期待できる
  • 競合施設との差別化につながる
  • 滞在時間を延ばし、関連消費を生む
  • 収益の安定化を図る仕組みづくりができる

ここからはそれぞれのメリットについて、詳しく解説します。

客単価・宿泊単価の向上が期待できる

サウナは「付加価値のある設備」として、客単価・宿泊単価を押し上げやすい要素です。

たとえば、宿泊施設でサウナを整備したことで、宿泊単価が上がり、朝食などの館内売上が伸びる可能性があります。

温浴施設でも、サウナ導入後に平均客単価が上昇し、館内での追加消費が増えることも予想できます。

また、客室内サウナは「時間を気にせず使える」「他人の目がない」という点が魅力です。

そうした面もあり、特に予算に余裕のある高所得者やサウナ好きの方にとっては、追加料金にも前向きになりやすくなることが考えられます。

競合施設との差別化につながる

競合施設が多い市場では、立地や価格だけでなく、「この施設を選ぶ理由」をどれだけ明確にできるかが重要になります。

サウナは滞在体験そのものの質に関わる設備であり、他施設との違いを打ち出しやすい要素の一つです。

導入やリニューアルの内容によっては、施設全体のコンセプトや強みをより明確にすることにもつながります。

実際に、施設選びの際にサウナの有無や内容を重視する利用者も見られます。

特に、個室や貸切といったプライベート性の高い形態は、一定のニーズがあるでしょう。

サウナを施設の特徴を形づくる要素として取り入れることで、価格競争に陥りにくい運営につながる可能性があります。

滞在時間を延ばし、関連消費を生む

サウナの利用には、ある程度の滞在時間が必要です。

そのため、利用者は施設内で過ごす時間が相対的に長くなりやすい傾向があります。

滞在時間が延びることで、館内の他サービスに目が向きやすくなるでしょう。

たとえば、ドリンク・フードの利用や物販の購入、マッサージなどの追加サービスを利用する機会が生まれる可能性があります。

サウナ利用が単独で完結するのではなく、館内体験の一部として組み込まれることで、「ついで利用」や「関連消費」が発生しやすいといえます。

収益の安定化を図る仕組みづくりができる

サウナは、リピート利用につながりやすい傾向があります。

そのため、定期的な来店を前提にした収益モデルに適しています。

温浴施設ならプレミアム会員・回数券、フィットネスならサウナ込み上位プランなど、サブスク型・継続課金型のモデルに落とし込みやすいのがポイントです。

さらに、季節による需要の偏りが比較的小さいとされるため、閑散期対策としても活用余地があります。

単発の売上だけでなく、継続利用を前提にした仕組みにすることで、収益の安定化を狙えます。

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サウナへの設備投資を決める上で重要なチェックポイント


サウナには魅力的なメリットがある一方、投資判断を誤ると収益化が難しくなる可能性もあります。

重要なチェックポイントは、以下の6つです。

  • 設備投資をする目的・解決したい経営課題は何か
  • 収益シミュレーションは現実的か
  • 事業のターゲットとの相性はどうか
  • 導入スペースと動線などを含めて検討できるか
  • 法令への適合が可能か
  • メンテナンスの体制を整えられるか

ここからは、6つのポイントを詳しく解説します。

設備投資をする目的・解決したい経営課題は何か

サウナは経営課題を解決するための有効な手段の一つです。

「宿泊単価を上げたい」「新しい顧客層を取り込みたい」「会員数を増やしたい」など、施設によって抱えている課題はさまざまです。

投資の目的を明確にしないと、導入後に期待通りの効果が得られない可能性があります。

たとえば、ホテルや旅館であれば、全室にサウナを導入するのか、一部客室のみとするのかによって、狙う顧客層や価格戦略も変わってきます。

また、フィットネス施設では、会員プランの付加価値向上にどの程度つなげたいのかを検討する必要があります。

ほかの施策との優先順位を整理しながら、投資の位置づけを明確にすることが大切です。

収益シミュレーションは現実的か

設備投資を判断する際は、収益の見通しが現実的かどうかを確認することが重要です。

「どの程度の利用が見込めるか」「運営にどのくらいのコストや手間がかかるか」といった要素を、できるだけ数値で整理しておくと検討しやすくなります。

また、「どの指標が改善すれば投資の成果といえるのか」という判断基準を定めておくことも大切です。

売上の増加を重視するのか、会員数の拡大なのか、滞在時間の延長なのかによって、確認すべき数値や想定する回収期間は変わってきます。

まずは解決したい経営課題を明確にし、そのうえで目的に合った形を検討していくことが重要です。

事業のターゲットとの相性はどうか

サウナのタイプや提供するサービスは、ターゲット顧客によって変わります。

たとえば、リゾートホテルでは客室内サウナや眺望の良い屋外サウナが求められる一方で、ビジネスホテルやジムでは短時間で効率よく利用できるコンパクトなサウナが好まれる傾向です。

また、女性利用者やファミリー層の利用が多い施設では、安全面や清潔感への配慮に加え、美容や健康を意識したサービスとの組み合わせを検討する余地もあります。

ターゲットとの相性を整理することが、導入後の効果を判断するうえでも基準になります。

導入スペースと動線などを含めて検討できるか

サウナを導入する際は、サウナ室そのものだけでなく、更衣スペースやシャワー、水風呂、外気浴スペースまで含めた全体の動線を検討することが重要です。

利用の流れがスムーズで、無理なく移動できる空間づくりができているかどうかは、満足度に影響する要素の一つといえます。

スペースが十分に確保できていない場合、混雑や使いにくさが生じ、体験の質が下がる可能性があります。

その結果、リピート利用にも影響することが考えられます。

そのため、導入が可能かどうかを判断するだけでなく、利用者が快適に過ごせる環境を整えられるかまで含めて検討することが大切です。

法令への適合が可能か

サウナを導入する際は、消防法や建築基準法など、各種法令への適合が前提となります。

新規で導入する場合だけでなく、既存施設のリニューアルで設備仕様を変更する場合にも、確認や手続きが必要になることがあります。

たとえば、消防への届出や防災設備の追加工事が求められるケースもあり、想定外の対応が発生する可能性もあります。

そのため、導入の可否だけでなく、どのような法的手続きが必要になるかを事前に整理しておくことが重要です。

計画段階で法令面の確認を行い、法令に対応できる体制が整っているかは、設備投資を判断するうえで押さえておきたいポイントといえます。

メンテナンスの体制を整えられるか

サウナは導入すること自体がゴールではなく、運用のあり方が重要になります。

点検・清掃・衛生管理・故障対応が不十分だと、事故やクレームにつながり、投資の意味そのものが損なわれます。

実際、2025年12月に東京都港区で会員制サウナの個室火災が起き、利用者が亡くなる痛ましい事故が報じられました。

令和7年12月15日、区内の個室サウナを利用された方が、サウナ室で亡くなるという痛ましい事故が起こりました。

引用元:港区「港区赤坂で発生したサウナ火災死亡事故について

サウナの設備投資では、熱源周辺の点検や温度管理、扉や金具の機能確認、避難動線の確保など、「安全の当たり前」を運用で担保することが不可欠です。

自社で管理体制を組むのか、外部の専門業者と連携するのかを含め、無理なく継続できる体制を計画段階から組み込むことが大切です。

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事業におけるサウナへの設備投資の事例

サウナ投資の効果を具体的に理解するには、実際に改修や新設を行った事例を見るのが効果的です。

私たち、秀建が手がけた代表的な事例は、次の4つです。

  • 開店20年超の温浴施設がサウナ設備を強化してリニューアル
  • 歴史ある銭湯がスタイリッシュなデザイナーズ型銭湯に
  • 「自然を健康」をコンセプトにサウナを導入した人気の温泉施設
  • 木造住宅再生×個室サウナで付加価値を高めた一棟貸し宿泊施設

ここからは、4つの事例を見ていきましょう。

開店20年超の温浴施設がサウナ設備を強化してリニューアル


埼玉県志木市の温浴施設「おふろの王様志木店」は開店から20年以上が経過し、2025年に館内のイメージ刷新を目的とした改修工事を行いました。

館内全体の空調や浴場設備を更新するとともに、サウナ機能を強化したのが特徴です。

岩盤浴エリアには、66℃のミュージックサウナ「Heat Wave」を新設しました。

毎時15分と45分に、音楽が流れる仕様になっています。

また、従来のスチームサウナ(洞窟部屋)は、「トルネードロウリュサウナ」に置き換えられました。

さらに露天風呂側にも水風呂や外気浴スペースが設けられ、ととのい体験をより感じてもらいやすくなりました。

おふろの王様 志木店

歴史ある銭湯がスタイリッシュなデザイナーズ型銭湯に


東京都北区にある昭和から続く銭湯「かが浴場」は、事業承継を機に改修を行いました。

どこか昔懐かしい銭湯の趣を残しつつ、従来のイメージにとらわれない海の家をイメージした内装デザインに仕上がっています。

浴場には本格的なフィンランドサウナが導入され、特に男性サウナ室は迫力のある広さです。

サウナ室では照明・風・音を組み合わせた、ミュージックロウリュが行われています。

深さのある水風呂もあり、ロウリュで温まりきった体をしっかり冷やすこともできます。

COCOFURO かが浴場

「自然と健康」をコンセプトにサウナを導入した人気の温泉施設


三重県いなべ市の「旧阿下喜温泉あじさいの里」において、人気の温泉はそのままにサウナを導入してリニューアルした事例です。

秀建は、別館の「サウナラウンジ Serow」を担当しました。

コンセプトは「自然と健康」で、異なるテーマを持つ3つのサウナ室で構成されています。

サウナ室名 テーマ 特徴
murmur(ささやき)

・風をイメージした空間

pitter-patter(雨音)

・フィンランド式サウナを楽しめる空間

moon(月)

・星空をイメージした天井照明のもと、横になって過ごせる仕様

それぞれ異なるコンセプトなので、利用者が目的や気分に応じて選べる構成となっています。

おふろcafé あげき温泉

木造住宅再生×サウナで付加価値を高めた一棟貸し宿泊施設


2階建ての木造住宅を、一棟貸しの宿泊施設へ改修した事例です。

既存の梁や障子を生かしつつ、日本の侘び寂びと北欧のヒュッゲを融合させた内装が特徴となっています。

独立したベッドルーム3室とリビング、キッチンのほかサウナと外気浴テラスが設けられています。

やわらかな照明計画と素材の選定により、落ち着いた滞在時間を提供できる空間となりました。

旅館 iriya

サウナへの設備投資の際に設計・施工を依頼する会社選びのポイント


設備投資としてサウナを導入する際、設計・施工を担当する会社の対応力が結果に影響する場合があります。

以下の点を確認して、パートナー選びに失敗しないようにしましょう。

会社選びのポイント 具体的な内容 チェックポイント
サウナ工事の実績とノウハウを持っているか

・高温多湿に加え、換気や電気設備、防火・法令対応など、一般的な内装工事とは異なる専門的なノウハウが必要

・これまでにどのようなサウナを手がけ、どのような実績を上げているのか確認する

法令対応を含めた提案ができるか

・公衆浴場法や消防法、建築基準法への適合は投資効果を高めやすい

・事前に保健所や消防署との協議に対応できる体制が整っているかを確認しておく

アフターメンテナンス体制が整っているか

・不具合時の修理対応が不可欠

・修理を自社または専門業者でしっかり行える体制があるか

全国対応や地域ごとの自治体運用をサポートできるか

・法令や行政の運用は自治体によって異なる

・全国展開や地方への対応実績がある会社であれば、自治体との相談や調整をサポートしながら、適切な進め方を一緒に検討していくことができる

秀建は上記のポイントを満たす施工会社として、設計・施工・アフターサポートまで対応可能です。

サウナを中心とした温浴施設のリニューアルや、サウナ付き宿泊施設の設計・施工など、さまざまな施設づくりに携わってきました。

サウナの設備投資を検討している方は、気軽にお問い合わせください。

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サウナへの設備投資は事業価値向上に期待できる!


サウナは一時的な流行というよりも、客単価の見直しや競合との差別化、滞在時間の延長、リピーター獲得などにつながる可能性を持つ設備投資の一つです。

取り入れ方によっては、事業価値の向上につながることも期待できます。

一方で、その効果を十分に引き出すためには、導入の目的を明確にし、現実的な収益シミュレーションを行うことが欠かせません。

また、ターゲットに合っているか、十分な導入スペースを確保できるか、法令に適合しているか、運営開始後のメンテナンス体制を整えられるかといった点も重要な検討事項です。

信頼できるパートナーと連携することで、サウナへの設備投資は新たな事業価値の向上につながる可能性があります。

導入を検討されている方は、本記事で紹介したメリットやチェックポイントを参考に、自社の事業戦略に合った形を整理してみてください。

私たち秀建は、サウナを含む各種施設の設計・施工からアフターサポートまで一貫して対応しています。

これまでにも多様なサウナ施設づくりに携わってきました。

ご相談はお気軽にお問い合わせください。

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監修者情報

(株)秀建 編集部

(株)秀建 編集部

店舗やオフィスの設計・内装・施工、公共工事のプロフェッショナル(株)秀建が発信するオウンドメディア。
設計・内装・施工に関する豊富な知識と経験をもとに、役立つ情報や最新のトレンドを皆様にお届けしています。

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