(株)秀建 編集部
個人用サウナを導入するホテルが増えているワケ|一人用サウナと相性の良いビジネスモデル
「サウナー」「ととのう」など流行語まで生み出すほどのブームとなっているサウナ。
ブームの波は温浴業界にとどまらず、最近は集客の目玉として個人用サウナを客室に導入するホテル・旅館も増えています。
今回は宿泊施設と個人用サウナの組み合わせに注目し、ユーザー目線のメリットや導入の課題について考えてみましょう。
コラムのポイント
・ホテルの個人用サウナは、宿泊客にとってさまざまなメリット・魅力を生み出します。
・一人用サウナと相性の良いビジネスモデルを紹介します。
個人用サウナを導入するホテルが増えているワケ
昨今のサウナブームは多くのヘビーユーザーを生み出し、旅行の宿泊先をサウナ施設の有無で決める方も増えてきています。
「サウナ付きホテル特集」など需要はどんどん高まっており、ホテル・旅館の個人用サウナ導入が加速しているのです。
大浴場の共同サウナではなく各部屋に一人用サウナを設置することで、普段とは違うプレミアムな「ととのい」を求めるユーザー需要もキャッチできるかもしれません。
またサウナ習慣が広く知れ渡ったことで、今まで触れて来なかったユーザーが旅行を機にサウナ付きホテルを選ぶ可能性も考えられます。
個人用サウナ付きホテルのユーザーメリット
個人用サウナには共同施設では味わえない魅力やメリットがあり、うまく訴求すれば集客力アップにつながる可能性が高いです。
自由な過ごし方ができる
部屋付きの個人用サウナがあるホテルは、共同サウナではできない自由な過ごし方が大きな魅力となっています。
一般的なサウナ施設では飲食をしたり、横になったりする行為は禁止です。
しかし一人で入る個室サウナ空間なら、自分だけの自由な過ごし方ができるのです。
セルフロウリュできる個人サウナなら、温度も調整して自分のペースでととのえるのもメリット♪
またスマートフォンやタブレット(高温による故障に注意)、Wi-FiやBluetooth接続によるスピーカーなどの電子機器も使えるため、仕事や勉強で時間を有効活用したり音楽を聴いたりすることもできます。
旅行だけでなく、新型コロナ過で増えたワーケーションユーザーにもマッチしそうなメリットですね。
混雑を気にせず24時間いつでも利用できる
利用客の増加による混雑を回避できるのも、個人用サウナの大きなユーザーメリットと言えます。
人気のサウナ施設では、混雑する時間帯になると長蛇の列ができてしまうことも多いです。
せっかく楽しみにしていたサウナに足を運んだのに、自分のペースでととのえないというジレンマを抱えているユーザーは少なくありません。
混雑なく好きな時に使えて、思い通りのととのい体験ができる個人用サウナは、サウナーにとって理想的な環境と言えるでしょう。
タトゥーなどを気にせず利用できる
日本国内のサウナ施設では、入れ墨やタトゥーをしている方は利用できないことが多いです。また利用できる施設でもシールで隠すなどの条件付きの施設すらあります。
客室内にある個室サウナなら他の方と鉢合わせすることはないので、タトゥーが入っていても問題ありません。
文化的にタトゥーを入れることが多い外国人観光客の受け入れは宿泊業界でも大きな課題ですが、個人用サウナならクリアできそうですね。
一人用サウナのビジネスアイデア
コンパクトサイズの一人用サウナは比較的設置ハードルが低く、宿泊以外にもさまざまなビジネスアイデアの可能性を秘めています。
サウナ付き賃貸物件
多くのサウナーにとっての夢を実現できるサウナ付き賃貸物件は、注目度の高いビジネスアイデアです。
自宅サウナは持ち家が前提条件で初期費用も掛かりますが、賃貸なら気軽に実現できるため多くのサウナファンが注目しているのです。
競合が少ないので入居率アップが期待でき、サウナがある分家賃も高めに設定できるなどオーナー側のメリットも大きいでしょう。
シェアハウスの共有スペース
東京など大都市圏で増えているシェアハウスも、一人用サウナとの相性が良さそうなビジネスモデルです。
シェアハウスは賃貸物件と違い共用スペースがあるため、各部屋に設置しなくて済む点が大きなメリット。
最近は特定の趣味や設備に力を入れるシェアハウスが増えているので、サウナ付きシェアハウスもこれからのトレンドになるかもしれません。
サウナ付きコワーキングスペース
テレワークの普及によりサウナにワークスペースを併設する施設が増えていますが、コンパクトな一人用サウナならその逆のビジネスモデルも考えられます。
斬新なアイデアが求められるスタートアップやベンチャー企業向けのサウナ付きコワーキングスペースは、相性の良さそうな組みあわせです。
都市部はコワーキングスペースが多く競争が激しいですが、サウナがあることで差別化にもなりそうですね。
ホテル個人用サウナ導入の課題
個人用サウナは一般家庭にも設置されることがありますが、ホテルなど宿泊施設に導入する際はさまざまな課題も考えられます。
法規制への対応
家庭用の個人サウナと違い、宿泊施設に設置する場合は消防法や保健所が定める法規制のクリアが課題です。
スプリンクラーの設置が義務付けられているホテルの場合、サウナ内にも必要になります。また宿泊施設の個人用サウナは不特定多数の人が使用するため、清掃のために排水が必要になるケースもあります。
ホテルに設置する場合は、このような宿泊施設向けのカスタマイズができるメーカー・製品を選ぶ必要があるということです。
間違った使用による機械故障の防止
客室内の個人用サウナは宿泊客自身が操作することになるため、間違った使用による機械故障を防ぐことも重要な課題です。
例えば個人用サウナで人気のセルフロウリュは、熱を求めるあまりサウナストーブに一気に水をかけてしまうと基盤に漏水し故障の原因になります。
またドアを開けっぱなしでサウナを使用し、湿気や熱で客室の設備が故障するケースも考えられます。
前述したスプリンクラーが室内にある場合、頭をぶつけて誤動作するなどのトラブルも。
分かりやすい使用マニュアルの整備や注意喚起など、故障や事故を防ぐための取り組みが重要となるでしょう。
顧客の体調不良による事故の防止
一人用サウナは万が一室内で倒れたとしても発見する人が居ないため、事故防止の取り組みも重要な課題の一つとなります。
サウナ内で体調不良になったり、ドアの故障で出られなくなったりした場合、重大な事故につながる前に防ぐ仕組みが必要です。
サウナ室内に緊急連絡ボタンを設置し、発報があったら近くのスタッフがすぐ駆け付けられるようにするなど、万が一の事故を想定して対策しましょう。
客室の価値を高めるデザイン
ただ客室に個人用サウナを設置するだけでなく、デザイン性を高めて顧客満足度の高い空間をつくることも重要です。
せっかくサウナを設置してもユニットバスのような無骨なデザインでは、わざわざ選んでもらうのは難しいでしょう。
顧客に旅先での優雅な時間を過してもらうためには、一人用のサイズでも圧迫感がなく、客室全体の価値が高まるようなデザイン性が必要です。
ホテル用の個人用サウナを選ぶ際は、価格・設置条件などに加えて、デザインも比較検討してみてください。
まとめ
ブームで多くのユーザーが注目している今、個人用サウナはホテルの集客力を大きくアップしてくれる可能性のある設備です。
法規制への対応や事故防止などクリアすべき課題もありますが、一つの選択肢として検討してみる価値は大きいでしょう。
ホテル・旅館の個人用サウナ導入は、商業施設施工のプロフェッショナル秀建にご相談ください。
サウナトータルプロデューサー笹野美紀恵氏監修のSAUNAGEは、上質なサウナ空間で客室の魅力を高めることができる個人用サウナです。
多くのホテル・旅館の施工をお手伝いしてきた私たちが、法対応や施工計画などもしっかりサポートいたしますので、どんなギモンもお気軽にご相談ください。