2026.7.22

オフィスの移転費用はいくら?内訳やコストを抑えるポイントを解説

オフィスの移転では、新しい物件の契約費用だけでなく、内装工事、通信・電気設備の整備、引っ越し作業、旧オフィスの原状回復など、さまざまな費用が発生します。

費用の全体像を把握しないまま進めると、後から追加費用が重なり、当初の予算を超えてしまう可能性もあります。

そのため、移転を検討する段階でどこに何がかかるのかを確認しておくことが大切です。

本記事では、オフィス移転にかかる主な費用の内訳や、コストを抑えるためのポイントを詳しく解説します。

このコラムでわかること

●オフィス移転費用は、新オフィス・移転作業・旧オフィスの3つに分けて整理することで、予算全体を把握しやすくなる
●オフィス移転のコストは、工事内容や契約条件を事前に確認し、計画的に準備することで適切に管理できる
●オフィス移転では、居抜き物件の活用や既存資産の再利用、業者選定を工夫することで、費用を抑えながら移転を進められる

オフィスの移転費用はどのくらいかかる?


オフィスの移転費用は、移転先の規模や内装工事の内容、移転する人数、現在のオフィスの退去条件などによって変わるため、一概にいくらとはいえません。

そのため、移転費用を正確に把握するには、まず施工業者や引っ越し業者などに見積もりを依頼し、必要な費用を具体的に洗い出すことが大切です。

見積もりをもとに「新オフィスにかかる費用」「移転作業にかかる費用」「旧オフィスの退去にかかる費用」を整理すると、予算の全体像を把握しやすくなります。

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オフィスの移転費用の内訳


オフィス移転の費用は、新しいオフィスを借りるための費用だけでなく、内装工事や通信環境の整備、引っ越し、旧オフィスの退去対応まで幅広く発生します。

主な内訳は、次の通りです。

  • 新オフィスにかかる費用
  • 移転作業にかかる費用
  • 旧オフィスにかかる費用

ここからは、それぞれの費用について詳しく見ていきましょう。

新オフィスにかかる費用

新オフィスを準備する際は、物件の契約や内装工事、通信環境の整備、家具・什器の購入など、さまざまな費用が発生します。

主な項目は、次の通りです。

  • 新オフィスの契約費用
  • 設計・内装工事費
  • 通信・電話・LAN工事費
  • 家具・什器購入費

ここからは、各費用項目について詳しく解説します。

新オフィスの契約費用

新オフィスを契約する際は、敷金・保証金、礼金、仲介手数料、前家賃、共益費、火災保険料などの初期費用が発生します。

こうした費用は、物件の立地や広さ、ビルの条件、契約内容によって変わるため、月々の賃料だけで判断しないことが大切です。

契約前には、入居時に必要な費用だけでなく、敷金や保証金の返還条件、フリーレントの有無、解約時の条件なども確認すると安心です。

また、旧オフィスの解約日と新オフィスの入居日がずれると、一定期間、旧オフィスと新オフィスの賃料を同時に支払う「二重賃料」が発生することがあります。

フリーレント期間があっても、内装工事や通信工事の開始時期によって実質的な負担が変わるため、契約開始日・解約予告期間・工事期間をあわせて確認しておきましょう。

設計・内装工事費

設計・内装工事費は、新しいオフィスを自社の働き方に合わせて整備するための費用です。

たとえば、設計・内装工事費には次のような費用が含まれます。

  • レイアウト設計
  • 床・壁・天井の仕上げ
  • 間仕切りの設置
  • 会議室や受付スペースの整備
  • 電気・空調・防災設備

工事内容は、ビル側が指定する工事と、入居する企業が施工業者を選べる工事に分かれる場合があり、どこまで自由に工事できるかによって費用も変動します。

費用を抑えたい場合は、壁を増やしすぎないレイアウトにできるか、既存設備を活かせるか、将来の増員やレイアウト変更に対応できるかを施工業者に相談しましょう。

通信・電話・LAN工事費

通信・電話・LAN工事費は、移転後すぐに業務を始めるために必要な費用です。

インターネット回線や電話回線、社内ネットワーク、配線ルートなどを、オフィスのレイアウトや利用人数に合わせて整備します。

通信環境の準備が不十分だと、移転後に次のようなトラブルにつながるおそれがあります。

  • インターネットが使いにくい
  • 電話がつながらない
  • 配線が邪魔になる

移転前の段階で、必要な端末数や会議室・執務スペースでの利用状況を整理し、内装工事の担当者や通信業者へ共有しておくと安心です。

通信回線の開通が遅れると、移転日を迎えてもメール、電話、Web会議、基幹システムなどを十分に使えず、業務に支障が出る可能性があります。

回線工事は申し込みから開通まで時間がかかる場合があるため、物件決定後は早めに通信会社・内装業者・ビル管理会社と工事日程を調整しましょう。

家具・什器購入費

家具・什器購入費には、デスク、チェア、収納棚、会議用テーブル、受付カウンター、ロッカー、休憩スペースの家具などが含まれます。

新しいオフィスに合わせてすべてを新調すると費用が膨らみやすくなります。

そのため、既存の家具を使い続けられるか、買い替えが必要なものは何かを事前に整理しておきましょう。

費用を抑えたいなら、リースや中古什器の活用も選択肢になります。

見た目だけで選ぶのではなく、従業員数や働き方、収納量、会議室の使い方に合わせて必要なものを選ぶことが大切です。

オフィス移転では、荷物を運ぶ費用だけでなく、住所変更に伴う各種手続きや届出、引っ越し業者への依頼、搬出入の準備、不用品の仕分けなどにも費用や手間が発生します。

移転作業にかかる代表的な費用は、次の通りです。

  • 各種手続き・届出費
  • 引っ越し・運搬費

ここからは、移転作業に関わる費用について詳しく見ていきましょう。

各種手続き・届出費

オフィスを移転すると、会社の住所変更に伴って、さまざまな手続きや届出が必要になります。

たとえば、次のような手続きが挙げられます。

  • 本店所在地を変更する場合の登記手続き
  • 税務署や自治体への届出
  • 社会保険や雇用保険に関する手続き
  • 郵便物の転送手続き
  • 金融機関や取引先への住所変更連絡

こうした手続きは、社内で対応できるものもありますが、内容によっては司法書士、税理士、社会保険労務士などの専門家へ依頼した方がスムーズな場合もあります。

手続き・届出

主な提出先

提出期限の目安

本店移転登記

法務局

本店移転の効力発生日から2週間以内

異動届出書

異動前の納税地の所轄税務署

異動後速やかに

適用事業所名称・所在地変更届

年金事務所または事務センター

事実発生から5日以内

労働保険名称・所在地等変更届

所轄労働基準監督署または公共職業安定所

変更日の翌日から起算して10日以内

雇用保険事業主事業所各種変更届

所轄の公共職業安定所

変更日の翌日から起算して10日以内

郵便物の転送届

郵便局

移転前に余裕をもって手続き

金融機関・取引先・契約サービスの住所変更

各金融機関・取引先・サービス提供会社

移転前後できるだけ早め

手続きによって提出先や期限が異なるため、移転日が決まったら、以下のように必要な届出を早めに整理しておきましょう。

引っ越し・運搬費

オフィス移転では、デスクや椅子、書類、パソコン、複合機、収納棚などを新オフィスへ運ぶための費用が発生します。

費用は、荷物の量、移転先までの距離、作業人数、搬出入の条件、作業日程などによって変わります。

そのため、見積もりを依頼する際は、荷物の量だけでなく、搬出入経路、作業時間、養生の有無、不用品の処分対応まで確認しておくことが大切です。

費用を抑えたい場合は、移転前に不要な書類や備品を整理し、運ぶ荷物をできるだけ減らしましょう。

旧オフィスにかかる費用

オフィス移転では、新オフィス側の費用だけでなく、旧オフィスの退去に伴う費用も発生します。

たとえば、不用品の処分費や原状回復工事費などが必要になる場合があります。

退去時の費用を見落としていると、移転全体の予算が想定より膨らむ可能性があるため、早めに確認しておくことが大切です。

旧オフィスにかかる代表的な費用は、次の通りです。

  • 不用品・廃棄物処分費
  • 旧オフィスの原状回復費

ここからは、旧オフィスで発生する費用について解説します。

不用品・廃棄物処分費

移転に伴って使わなくなった家具、什器、書類、備品、OA機器などを処分する際には、不用品・廃棄物処分費が発生します。

処分する量が多いほど費用がかかりやすいため、移転計画の早い段階で「新オフィスへ持っていくもの」「売却・譲渡できるもの」「廃棄するもの」に分けておきましょう。

まだ使えるデスクやチェア、収納棚などは、買取やリユースを検討することで、処分費を抑えられる場合があります。

一方で、機密書類やパソコンなどを処分する場合は、情報漏えいを防ぐため、適切な処理方法を選ぶことが重要です。

また、事業で使っていた家具や機器は、家庭ごみのように簡単に処分できないものもあります。

事業活動に伴って発生した廃棄物は、処分業者に委託する場合でも排出事業者に処理責任があるため、注意が必要です。

自治体や処分業者のルールを確認し、廃棄物の種類に応じた許可を持つ業者へ依頼しましょう。

旧オフィスの原状回復費

旧オフィスを退去する際は、賃貸借契約の内容に応じて、床・壁・天井・設備などを所定の状態に戻す原状回復工事が必要になることがあります。

民法上、賃借人は賃借物に生じた損傷について原状回復義務を負いますが、通常の使用・収益による損耗や経年変化は、原則として対象外とされています。

(賃借人の原状回復義務)

第六百二十一条 賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷(通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化を除く。以下この条において同じ。)がある場合において、賃貸借が終了したときは、その損傷を原状に復する義務を負う。ただし、その損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。

引用元:民法第621条

ただし、実際にどこまで戻す必要があるかは、賃貸借契約の内容やビル側のルールによって異なります。

原状回復の範囲には、床材や壁紙の張り替え、間仕切りの撤去、照明や電気設備の復旧、造作物の撤去などが含まれる場合があります。

また、ビル指定の業者で工事を行う必要があるケースもあるため、退去直前ではなく、移転計画の初期段階で管理会社や施工業者に確認しておくことが大切です。

原状回復費を確認する際は、契約書の原状回復条項、入居時の図面・写真、過去に追加した造作や間仕切り、指定業者の有無、見積書の数量・単価、工事完了期限などを確認しましょう。

内容を十分に確認しないまま進めると、不要な工事が含まれていたり、想定外の追加費用が発生したりする可能性があります。

特に、退去日までに工事が完了しないと追加賃料が発生する場合もあるため、旧オフィスの明け渡し日から逆算して進めることが重要です。

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オフィスの移転費用を抑えるポイント


オフィスの移転費用を抑えるには、単に安い業者を選ぶのではなく、工事範囲や購入するものを見直し、無駄な費用を減らすことが大切です。

費用を抑えるための主なポイントは次の通りです。

  • 居抜きオフィスを活用する
  • 既存の家具・什器を再利用する
  • 設計から施工まで一括でサポートできる業者に依頼する
  • 複数業者から見積もりを取る

ここからは、各ポイントについて詳しく紹介します。

居抜きオフィスを活用する

居抜きオフィスとは、前の入居者が使っていた内装や設備、什器などが残っている状態のオフィスです。

内装や設備をそのまま活用できる場合は、一から工事を行うよりも、内装工事や設備工事の費用を抑えやすくなります。

工事期間を短縮しやすいため、移転までのスケジュールに余裕がない場合にも検討しやすい選択肢です。

ただし、居抜きオフィスなら必ず費用を抑えられるとは限りません。

前の入居者のレイアウトや設備が、自社の働き方に合っていない場合は、部分的な改修や追加工事が必要になることがあります。

会議室の数や執務スペースの広さ、電気容量、通信環境、セキュリティ設備などを確認し、自社に合う状態かどうかを見極めましょう。

既存の家具・什器を再利用する

現在使っているデスクやチェア、収納棚、会議用テーブルなどを再利用すれば、新しく購入する家具・什器の費用を抑えられます。

オフィス移転を機にすべてを新調すると、費用が膨らみやすくなります。

そのため、まずは既存の家具・什器を「そのまま使えるもの」「修理や清掃をすれば使えるもの」「買い替えが必要なもの」に分けて整理しましょう。

また、使わなくなった家具や什器でも、状態がよければ売却やリユースに回せる場合があります。廃棄する量を減らせれば、処分費の削減にもつながる可能性があります。

ただし、古くなったチェアや破損した収納棚などを無理に使い続けると、安全性や使い勝手に影響することもあります。

旧オフィスの家具・什器を使い続ける場合は、新オフィスのレイアウトや働き方に合うかを確認したうえで判断することが大切です。

設計から施工まで一括でサポートできる業者に依頼する

オフィス移転では、レイアウト設計、内装工事、電気工事、通信・LAN工事、家具の手配、引っ越し準備など、さまざまな作業が同時に進みます。

設計から施工まで一括でサポートできる業者に依頼すれば、窓口を一本化しやすく、工事内容やスケジュールの調整もスムーズに進めやすくなります。

また、移転に必要な工事やスケジュールを早めに相談できるため、予算や工程の見通しを立てやすくなる点もメリットです。

業者を選ぶ際は、費用だけでなく、対応できる範囲、過去の施工実績、見積もり内容のわかりやすさ、移転後の相談のしやすさも確認しましょう。

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複数業者から見積もりを取る

オフィス移転の費用は、業者によって見積もりの出し方や、含まれる作業範囲が異なります。

そのため、複数の業者から見積もりを取り、内容を比較することで、費用や対応範囲の違いを判断しやすくなります。

見積もりを比較するときは、総額だけを見るのではなく、どこまでの作業が含まれているかを確認しましょう。

たとえば、次のような作業が見積もりに含まれているかによって、実際にかかる費用は変わります。

  • 内装工事
  • 電気工事
  • 通信工事
  • 家具の手配
  • 不用品処分
  • 搬出入の管理
  • 養生作業

安く見える見積もりでも、後から追加費用が発生する場合があるため、含まれる内容と含まれない内容を事前に確認しておくことが大切です。

オフィスの移転費用を確認して、計画的に準備しよう


オフィスの移転では、新オフィスと旧オフィスでそれぞれ費用が発生します。

さらに、引っ越しや各種手続きなど、移転作業そのものにかかる費用も見落とせません。

移転費用を把握する際は、「新オフィスにかかる費用」「移転作業にかかる費用」「旧オフィスにかかる費用」に分けて整理すると、必要な費用を確認しやすくなります。

費用を抑えたい場合は、居抜きオフィスの活用や既存家具・什器の再利用、一括対応できる業者への相談、複数業者からの見積もり取得などを検討しましょう。

秀建では、オフィスをはじめ、ホテルや飲食店など幅広い建築・内装工事において、企画・設計から施工、アフターメンテナンスまで一貫して対応しています。

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(株)秀建 編集部

(株)秀建 編集部

店舗やオフィスの設計・内装・施工、公共工事のプロフェッショナル(株)秀建が発信するオウンドメディア。
設計・内装・施工に関する豊富な知識と経験をもとに、役立つ情報や最新のトレンドを皆様にお届けしています。

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