学童開業する学習塾事業者が増えているワケ|学童保育×学習塾のビジネスモデル

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学童開業する学習塾事業者が増えているワケ|学童保育×学習塾のビジネスモデル

2023年現在、学習塾業界の売上高や市場規模は増加傾向ですが、少子高齢化が加速する今後の日本では顧客をめぐって競争率が高まると予想されています。

そのような状況で注目されているのが、放課後の児童を預かる学童保育です。共働き世帯の増加によって学童保育の需要も急増しており、学習塾事業者が新規参入するケースが相次いでいるのです。

今回は、学童保育の需要が増加している背景、学習塾事業者が新規開業するメリットなどを詳しく解説します。

学童×学習塾の新しいビジネスモデルや、施設づくりのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

 

学習塾の学童保育参入が増えている?

学習塾の売上高グラフ

出典:経済産業省 特定サービス産業動態統計調査を基に作成

学習塾業界はコロナ過から回復しており、売上高も年々順調に伸び続けています。しかし、このまま少子高齢化が進行すれば顧客数・売上高ともに減少する可能性が高く、厳しい時代が来ると予想されています。

そこで、多くの学習塾事業者が学童保育に注目しており、新規参入するケースが増えているのです。近年は共働き世代の増加によって、放課後も子供を預かってくれる学童の需要が伸びています。特に、保育園から小学校に上がる際の負担が大きく、「小1の壁」と呼ばれ新たな社会課題となりつつあります。

放課後の子供預かりは、自治体が運営する学童保育が主な受け入れ先でした。しかし、公共の学童保育は18時で終了してしまうため、共働きの両親が毎日迎えに行くのは難しいのが現状です。また、自治体の学童保育は数も限られるため、待機児童が発生している地域も少なくありません。

そこで、学習塾事業者が民間の学童保育施設として「学童保育型学習塾」を新規開業するケースが増えているのです。

民間の学童保育型学習塾は、18時以降の長時間預かりに対応できるため、放課後の児童の新しい受け入れ先として注目が集まっています。

 

学習塾事業者が学童開業するメリット

学童の教室と机

学習塾と学童保育は親和性が高く、組み合わせることで次のようにさまざまなメリットが生まれます。

 

開業ハードルが低い

民間学童保育は特別な手続きや資格が不要で、学習塾事業者が新規開業するハードルが低いのが大きなメリットです。

民間の学童保育開業には、国や自治体の許認可は必要ありません。保育士のような有資格者も不要で、受け入れる場所とサービス内容さえ決まれば開業できます。

 

学童顧客が将来の学習塾見込み客になる

小学校低学年のお子様を預かることで、中学や高校に進学したときの学習塾見込み客となるのは大きなメリットです。

小学校の数年間でお子様本人や両親と関係構築ができれば、進学時の学習塾として選んでもらえる可能性はかなり高くなるでしょう。また、スポーツや英会話など勉強以外の習い事を併設するケースも多く、進学後も継続して選んでもらえる可能性が高くなります。

少子高齢化で顧客数が減少するこれからの時代、長いスパンで見込み客をつくれる相乗効果のメリットは大きいでしょう。

 

新規雇用と教育コストを抑えられる

前述したように民間学童保育は有資格者が不要なため、学習塾の正社員が学童スタッフを兼任すれば新規雇用や教育のコストがかからないのも大きなメリット。

保育園のように有資格者の常駐が義務付けられている施設だと、保育士資格を持つスタッフを探して雇用し、1から教育する必要があり、かなりのコストがかかります。しかし、民間学童なら、学習塾スタッフがそのまま兼任もできますし、資格不要なので新規雇用のハードルもかなり低いです。もともとお子様の扱いに慣れている学習塾スタッフなら、学童サービスに対応するのは難しくないでしょう。

学童スタッフとして採用した人材を学習塾のサポートに回すなど、人手不足解消の手段になる可能性もあります。

 

オプション料金による収益性アップが期待できる

学童保育は基本の預かりサービスだけでなく、さまざまなオプションを用意して収益性アップが期待できるのも大きなメリット。

学童は基本の預かりサービスだけでなく、勉強・英会話・スポーツなどのオプションサービスを組み合わせることも可能です。親御さんとしては複数の習い事に送り迎えする手間が省け、事業者としてはオプション料金で収益性をアップでき、双方にメリットがあります。

事業展開のバリエーションが広がり、サービスが充実するほど集客力アップにつながる可能性も高いです。

 

学童×学習塾のビジネスモデル

実際に学習塾事業者が展開している学童保育のビジネスモデルをいくつかご紹介します。

 

英会話

学童の英語学習

グローバル化により英語の重要性は高まっており、英会話レッスンを採り入れる学童施設が増えています。2020年4月からは小学校の英語教育が必修化され、保護者の関心や需要も高まっています。ネイティブな英語を話す外国人スタッフによる学童保育サービスの事例も。学童の場合特別な資格は不要なので、スタッフ雇用のハードルも低いでしょう。

 

 

プログラミング

IT技術の重要性が高まる現代、プログラミング教室も学童の人気カリキュラムの1つです。

プログラマーを採用し機材をそろえる必要はありますが、広いスペースを必要としないため比較的採り入れやすいビジネスモデルと言えるでしょう。

 

スポーツ

学童保育併設型学習塾のスポーツコース

体操・水泳・サッカーなど、スポーツ教室と学童保育を組み合わせるビジネスモデルも多いです。スポーツは幅広い年齢層にマッチし、お子様ご本人や親御さんの関心も高いジャンルです。施設や設備への初期投資は必要になりますが、集客力や収益性につながるアイデアですね。

 

音楽

ピアノや打楽器など、さまざまな楽器や音楽に触れるカリキュラムを用意する学童施設も。音楽講師は曜日や時間帯で外部に依頼できるため、採用・教育コストがかからないのがメリット。

 

学童開業は施設づくりが重要

学童保育の教室

民間学童は国や自治体の許認可が不要で基準もありませんが、大切なお子様を預かる以上施設づくりは非常に重要です。親御さんは学童を選ぶ際、サービス内容や料金だけでなく、施設の安全性やクオリティも厳しくチェックするはずです。また、怪我や事故が発生すると口コミが広がり、集客力も低下してしまう可能性があります。

学童づくりの施工会社を選ぶ際は、保育園など安全性が求められる施設の施工実績が多い会社に相談し、適切なアドバイスを受けましょう。

また、今回ご紹介したような新しいビジネスモデルを実現するためには、カルチャースクールやスポーツ施設など、組み合わせるサービス内容に詳しい専門家のアドバイスも不可欠です。新しい学童施設の相談や見積もりを依頼するときは、なるべく多くの業態についてノウハウを持つ会社を選びましょう。

 

学童保育施設の相談・お見積もりは秀建へ

秀建のオフィス外観

私たち秀建は、公共施設・店舗づくりのプロフェッショナルとして、多くの保育施設やビジネス構築のお手伝いをしてきました。

保育園や幼稚園、学習塾やスポーツ施設など、さまざまな業界で培ったノウハウがございますので、これまでにない学童サービスを提供する施設づくりもしっかりサポートいたします。

安全性やクオリティにこだわり保護者様に選ばれる施設づくり、新しいサービス内容に合わせたレイアウトなど、専門性の高いアドバイスはお任せください。

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